十皿目 ページ10
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まだ仕事をしているであろうAがいる部屋へと料理を持って足を運んだ。
「…まだ仕事中です。」
「まあまあ、休憩も大事だぜ?」
大事な書類を一度、隅に片付けて俺の料理と対峙する。
「…またオムライスなのね。」
「ああ!」
「私に初めて出した品…。同じであれば私はもう貴方の料理を一切口にしません。」
「それでいいぜ。けど、ちょっと待ってな。」
オムライスと言えば、卵の上にケチャップで絵や文字を書いて遊ぶだろ?
俺は、特製のケチャップで文字を書いた。
「…ば、馬鹿にしているの!?」
「してねえよ?ほら、食え。」
「っ…。」
「こういうのも面白えだろ?」
『すき♡』と綴られた文字。
Aのスプーンを持つ手が震える。
「なんなら俺が食わせて、」
「ダメ!ちょっと待って。写真撮るわ。」
「は?」
スマホを取り出してカメラを起動させる。
カシャリと撮ったその写真を眺めてるAの横顔は凄く、可愛かった。
「好きなら好きって言えよな。」
「な、何をよ!」
「俺の事、好きなんだろ?」
「違うわ!オムライスよ!!」
プンスカ怒って、ようやくオムライスを口にしたAから俺が求めていた感想と笑顔を俺に向けてくれた。
「…美味しいわ。」
「当たり前だろ。Aの為に作ったんだから。」
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友花(プロフ) - はわわわ、めっちゃ面白いです!好き!朝陽好きの同士よ!めちゃくちゃカッコイイですよね!まだ夢小説少なくて残念です。少ないと言うか、ほとんどない気がする、、、とっっっても面白かったです! (2019年10月14日 23時) (レス) id: 7dc59fc863 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年10月13日 23時