四皿目 ページ4
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Aが屋敷に住むようになってから、俺の挑戦は毎日続いた。
「不味いわ。」
「ダメ!!」
「美味しくない。」
こんな罵声を浴びせられるのも毎日だ。
料理人として、一人の客の舌を満足させられねえってのは我慢ならねえ。
「どうしてこうも不出来な品ばかりなの!!私の舌を馬鹿にするつもり!?」
「どういう意味だ!」
「そのままの意味よ!」
とは言いつつ、サーブした料理は全て食べてくれる。
Aは料理に対してひたむきだ。
「全然工夫が無いわ。以前食べた卵料理と同じ。」
「…覚えてんのか。」
「ええ、えりなや真凪おばさまが持つ神の舌には到底敵わないけれど、私には記憶の舌、メモリータンを持つわ。」
だからよ…、と小さく呟き、その表情はとても悲しそうに見えた。
「どこで何を食べても同じ。一度食べればその味を記憶してしまう…。勿論、また食べたいと思える品はたくさんあるけれど、私が今まで食べてきた中で幸平創真の品はとても面白かった。」
幸平の料理も食べたのか…。
つまり、幸平はAに美味いって言わせたのか。
「私は!もっと新しい皿を求めているの!それなのに、貴方ときたらたった一日の付け焼き刃…?
そんなもの、私が美味しいと言う訳ないでしょ!
どんなにいい腕を持っていようが、一日で100人全員の舌を満足させる事なんて出来ないのよ。」
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友花(プロフ) - はわわわ、めっちゃ面白いです!好き!朝陽好きの同士よ!めちゃくちゃカッコイイですよね!まだ夢小説少なくて残念です。少ないと言うか、ほとんどない気がする、、、とっっっても面白かったです! (2019年10月14日 23時) (レス) id: 7dc59fc863 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年10月13日 23時