二皿目 ページ2
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急に料理しろなんて言われて、はい分かりましたって料理する奴なんか早々いねえだろ。
俺が返答せずにいると、
「聞こえなかったのかしら、料理をしろと言ったのよ。」
再び催促の言葉が女の口から飛び出た。
「Aさん!お兄様はこれから講師として生徒の前で実演授業があります…!」
「調理台を用意しなさい。」
「ですが!」
「彼は元は裏の料理人…。貴方や城一郎から話は聞いてるわ。けれど、彼自身の料理が無いのなら私は決して認めません。」
「城一郎…。」
「あら、やる気が出たのかしら?」
俺の料理人としての親。
城一郎の名前が出たからには黙ってられねえ。
「いいぜ、あんたに美味いって言わせればいいんだろ。受けてやるよ。」
「口だけではない事を期待するわ。」
手入れされたシンクや包丁、道具が運び込まれた。
「メインは卵、だったよな。」
「ええ、存分に腕を振るって頂戴。」
食材と向き合い、俺は
昔の俺じゃないって事を証明する為に。
「さ、食ってくれ。」
差し出した俺の皿はきっと、前とは違う。
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友花(プロフ) - はわわわ、めっちゃ面白いです!好き!朝陽好きの同士よ!めちゃくちゃカッコイイですよね!まだ夢小説少なくて残念です。少ないと言うか、ほとんどない気がする、、、とっっっても面白かったです! (2019年10月14日 23時) (レス) id: 7dc59fc863 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2019年10月13日 23時