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「あかん…。」
そう、あかんのや。
練習中にあの変な女の事、考えよる事は。
「さっきからあかんあかん言い過ぎや。なんなん、気持ち悪いで。」
「しょっぱなの一言目がそれか!!もっと他に言葉あるやろ!!」
「知らんわ。」
言葉を選ばないこいつは俺の双子の片割れ。
俺に対してむっちゃ毒吐くムカつく奴。やけど、双子やからかバレーに関してはビビッとくるもんもある。それは認める。
でもな、こんなイケメンな俺と顔が瓜二つなんて嬉しがるとこや。敬えクソサム。
「なんや今、無性に腹立ってんけど。」
「な、なんでやろな…?」
やっばいて!
こいつ、なんか読心術でも持っとるんとちゃうか!?マジでビビったわ!
「で、何があかんのや。」
意外にも話に乗ってくれるらしく、俺が悩んでいた胸中をさらけ出せば遠慮なく笑うわ、ちょお角名聞いてやと他の奴らにばらすわ。
ええ性格しとるで、俺の片割れよ。
「ベタってあるんだ。」
「むっちゃベタやんけ。で、お相手はどこの子?」
「……知らん。」
「「は?」」
「名前も言わんと結局とんずらされたわ!分かるんは、ザ昭和って感じの子やった。」
とんずら…、ツムがっ…!
侑がとんずらされっ……!
手で口元を覆っとるけどな、
「隠しきれてないんじゃお前ら!!笑いたきゃ笑えや!!あんな子、俺も初めてやわ!!」
なんで考えさせてくれなんて言ったんやろか。
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2020年3月27日 23時