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彼女の前にたくさんの空のジョッキが置かれていて、降谷は、本題に入ろうと一息つく。
「さて、そろそろ酔ってきたようだな。本題に入ろうか。」
「んぁ?何?」
「俺の事、どう思ってる?」
直球な質問だったが、彼女はにへらと笑って答える。
「んー、分かんない。」
「分からない?」
「嫌いじゃないよ?でもねぇ、嫌いか好きかって言われたら好き!」
彼女の、その赤く染まった頬と満面の笑みにやられない降谷じゃない。
モロドンピシャのストライクに降谷は頭を抱えた。
高鳴る心臓を必死に抑えていると、だけど…と小さく続ける彼女の声に耳を澄ませる。
「あいつと同じじゃないんだ。なんでだろ?」
ここで、今度はどん底に落とされた気分だ。
好きは好きでも、そういう好きなのかと。
「降谷?どうしたの?」
「あ、いや…。」
お酒が入ると素直になる彼女から自分の事を聞き出そうと飲みに誘った降谷だったが、予想していた状況に更に落ち込む。
今、客足が少なくて助かったと思う。
丁度、店主もこの近くにはいない。
「七瀬。」
「はぁい!」
「…キスしてもいいか。」
「や〜ん!降谷のえっちぃ!」
でかい声を出すな!
そう言おうと口を開こうとする降谷が言葉を発する前に彼女の口によって塞がれた。
「これで、いい?」
酒の力とはいえ、更に色っぽく微笑む彼女に降谷はキャパ寸前だ。
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年9月24日 18時