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突然鳴り出す携帯。
相手は、私がモヤモヤしている原因の彼。
私は心を落ち着かせてそろそろっと携帯を耳に当て、もしもし、と言った。
「七瀬!20時に以前風見と飲んでいた居酒屋に来い!!いいな!!」
返事をしない内に通話は切れ、有無を言わさないその物言いにイライラしたが、彼から電話をくれた事が少なからず嬉しかった。
「勝手に決めないでよ。」
口ではこんな事を言うが、先程よりも足取りは軽く機嫌良く仕事に取りかかった。
そんな私を見て不審がる上司、同僚や後輩。
今なら風見の嫌みが含まれた言葉も、スルー出来そうな程私の心は広い。
鼻歌混じりに仕事に片をつけた。
居酒屋という事は、飲みに誘われたという事だがあの怒ったような誘い方は気になる。
「あれ?急にご機嫌になりましたね。」
「そう?お酒が飲めるからかな。」
「お一人ですか?」
「ううん。降谷と。」
「え…。」
心底驚いた表情をする風見に、どうしたの?と訊けば降谷さんは凄いですね、と彼を褒める言葉を口にした。
私の酒癖の悪さを知っていながらも飲みに誘うのは勇者だ、との事で。
「何飲もっかな!」
「烏龍茶にでもしたらどうです?」
「私はアルコールを欲してるの!」
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年9月24日 18時