イライラするのは貴方のせいです

17 ページ18

.




鳴り止まない着信音に、私は気付いていないフリをしようと思ったが流石に無理だろう。

恐る恐る携帯を耳に当てか細い声で出る。



「いきなり切るとはいい度胸だな。」

「や、その…ビックリしちゃっただけなんです。」

「喜べ。明日は一日俺と共に行動だ。」

「そ、そんなの聞いてません！」



突然の事に私は聞いていないと主張するが、当たり前だと降谷はさも当然のように言う。

降谷も先程上司から呼び出されその報告を受けたと言うのだ。

それで私に電話をかけている風見から携帯を奪い取り、私に報告をしようとした訳だった。



「心臓に悪い…。普通に貴方からかけてくれば良かったじゃないですか。」

「丁度、風見がお前にかけていたからな。それに、俺がお前にかけたとして…………出るか？」

「………出ません。」

「という訳だ。」



納得はしたけど、明日一日中、降谷と一緒に行動だなんて上司は鬼だ！

フラストレーションが溜まりまくりだっての！



「詳しい内容は明日に伝える。」

「はい…。」

「それと、だ。」

「まだ何かあるんですか…？」

「通り魔には気を付けろよ。」



それだけを言って携帯を風見に返した。

もしもし、と声が風見になったのを聞いて安心する。



「さっき降谷さんも言ったように通り魔には気を付けて下さいね。女性を狙った犯行のようですので。」

「え？もしかしてそれだけを言いに？どうしよう、嬉しいな。まさか風見が私をそんなに心配して、」



ツー、ツー。

切りやがったっ！！



.

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す