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水上 目線
水「…ん。....」
目を開けると、真っ先に視界に飛び込んできたのは白い天井だった。
それと同時に、あぁ、俺事故に遭ったんだ。と思い出す。その時のことはあまり覚えていないが、とても心配そうに僕のことを見つめていた伊沢さんの顔だけは鮮明に覚えている。
起き上がろうとして感じた左腕の痛み。骨折をしているようだった。
視線だけを動かして自分の体を見ると、大きな怪我をしているのは左腕だけで、あとは少しの痣とかすり傷ができているくらいだった。
左腕の骨折だけで済んだことは、不幸中の幸いだろう。(利き手なので不便ではあるが)
自分が今置かれた状況を整理し、病室の辺りを見回すと、自分のベッドの隣で椅子に座って寝ている伊沢さんの姿があった。
水「伊沢さん」
起こすのは悪いかな、と思ったが、心配してここに居てくれたのだろうから、自分が元気だということを早めに伝えたかった。
伊「....ぁれ、水上…起きた、のか,?」
少し寝ぼけ眼でこちらを見つめ、停止する伊沢さん。
伊「骨折だけで済んだのは良かった…けど、その。俺が水上の横とか歩いとけば、こうはならなかったと思う…から、,ごめん」
数秒の間停止をして、何を言ってるんだこの人は。
これは伊沢さんが悪いわけじゃない。絶対的に悪いのはあのバイクだろう。
全責任を自分に持っていく癖がまたでている。
水「悪いのは伊沢さんじゃないです。あのバイクです。だから、責任を感じないでください、伊沢さん」
伊「…ごめん」
俯いた伊沢さんは相当疲れているようだった。
伊沢さんがずっと俺の傍に居てくれたのなら、俺は何時間寝ていたのだろう。
水「伊沢さん、帰って休んでください。疲れている、というかやつれてますよ笑」
いや、でも、と一向に帰ろうとしない伊沢さんを帰らせるのは大変だった。どこまで優しいのだろう、あの人は。
自分ももう少し寝ようか、と目を瞑った。
--
伊沢 目線
水上は、入院して1ヶ月で退院することができた。
左腕の骨折はまだ治っていないが、それ以外の怪我をした部分はほぼ完治していた。
伊「あ"〜、1ヶ月で退院できて良かった」
水「それは俺のセリフです」
事故前と事故後でもそう変わらない水上に、俺は安堵を感じていた。
伊「でも利き手がそんなんじゃ、不便だよな」
水「まぁ、はい。それなりに」
利き手が使えないのだから、何か俺に手伝えることはないか考えてみた。
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みゆ(プロフ) - izmzで、mzkmさんが彼シャツをするお話を書いて欲しいです!お願いします! (2020年4月19日 22時) (レス) id: 2d938d2ba6 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - 鳩麦_烏龍さん» 了解しました!話少し短くなるかもしれません;; (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - いちごパフェさん» リクエストありがとうございます!了解しました。愛されはシチュ迷います笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - Yさん» リクエストありがとうございます!その2人組いいですよね^^*ふわふわ系、あんまり書かないので暖かい目で見てやって下さい笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - もちもちの餅さん» リクエストありがとうございます!了解です! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はち | 作成日時:2020年3月24日 12時