:QK: 短編集（BL）

頑張り屋なのはいいけれど(物理×早稲田) ページ25

山本 目線

今日は…！今日はなんと…！！

久しぶりに恋人である須貝さんとお出かけに行く日！

ｸｲｽﾞﾉｯｸがだんだん有名になってきて、ﾃﾚﾋﾞの収録とか、ｲﾍﾞﾝﾄとかで中々2人の予定が合わなかったのだけれど、たまたま今日この日の午後だけ何も無いのが重なって｢久しぶりに、どっか行く？｣と、須貝さんに誘われた。

誘われてからというもの、今日が待ちきれなくて。
何を着ていこう、どこに行こう、髪の毛切っとこうかな、などと、色々悩んだ。(女の子の気持ちが 少しだけ わかった気がする)

わくわくが抑えられなくて、姿見の前で鼻歌交じりに身だしなみをチェックする。

ふと、自分の顔を見ると無意識にﾆﾔけていた。

こんなだらしない顔、恋人の前で見せらんない！

ﾊﾟｼﾝ！と、自分の両頬を叩いてﾋﾟﾝと立つ。

山｢…よし！｣

今日は絶対、カッコイイとこ見せたいな。

…僕の恋人兼尊敬する人である須貝さんは、気さくで、面白くて優しくて、本当に頼りになる人。

メンバー皆の お兄さん って感じで、クイズノックを支えてくれている須貝さんはとても格好良い。

そんな須貝さんに憧れて、僕もそんな格好良い人になりたい！と思ったのだ。

憧れている須貝さんに、｢今日の山本カッコイイね｣なんて言われてみたい、というのがどこか心の奥にあったので、今日これから精一杯｢自分なりの格好良いこと｣をしてみることにした。

まずは集合場所に集合時間より20分前に行く！
｢ごめん、待った？｣からの、｢待ってないですよ、僕も今来たとこです｣
ってやつ、やりたい！

山｢…ぁ、｣

そう考えていると、いつの間にか集合時間の30分前。
ここからその場所まで10分かかる。

須貝さんもきっと10分前には来るだろうから、もう行かなければ。

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案の定、集合時間10分前に須貝さんは来た。
早めに来ていて良かったなぁ…。

須｢お、山本早いね。…はい、これ｣

山｢……わ！ありがとうございます｣

｢僕も今来たとこですよ｣と言おうとした矢先、須貝さんから某有名珈琲店の珈琲を渡された。

須｢俺、実は30分前に着いちゃったんだけどさ。やっぱり早すぎたかなって思って、珈琲買ってきたの笑｣

30分前に着いて、その上僕の分まで飲み物を買ってきてくれる。須貝さんはやっぱり僕より1枚上手だなぁ。

山｢どこ行きます？｣

問いかけながら珈琲を1口飲むと、ﾌﾙｰﾃｨｰな味がした。僕の珈琲の好み、覚えててくれたんだな。

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