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河村 目線
病院へ運ばれて、それから福良が病室に来てからの夜はずっと福良と手を繋いでいた。
医師の方は、頭部に大きなダメージを受けている為、何らかの障害が起きてもおかしくは無いと言っていた。
ごめん、ごめん福良。とずっと謝った。
他のメンバー達も来ていたが、ショックから山本、こうちゃんの年下組達が泣き喚いたので、あやす様に早く帰ってしまった。
伊沢さんや須貝さんはそのストーカーに怒りを覚えて何も手につかない状態。
たまに癇癪を起こすようで、それを川上が止めていたらしかった。
メンバー達にも 本当にごめんと何度も謝ったが、全員口を揃えて「河村は何も悪くない」と言ってくれた。
伊沢さんだけは「頼む。河村さんまで鬱みたいになってほしくないから、そんなに抱え込まないで」とも言ってくれた。
その言葉を思い出して、ぎゅ と強めに福良の手を握ったその時に、
福「……」
病室のベッドに横たわる福良の目が、ゆっくりと開いた。
河「……ふくらっ!福良!」
福良はまだ状況が飲み込めていないようで、暫く瞳を左右に動かして周りを見ていた。
そして、しっかりとこちらを見て言った。
福「……初めまして。…すみませんが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
…何を言っているのか分からなかった。
河「.ぇ…。か、かわむら。河村!…福良、お前…!」
福「ふくら…、ぁ、あぁ…僕の名前でしょうか…?」
記憶が無い、ようだった。
何も、覚えていないようだった。
福「僕は福良と言うんですね。…はは、すみません。なんにも思い出せなくて。……ここは何処ですか?そして…河、村さん?貴方は僕とどのような関係で…」
ぺらぺらと1人で突っ走って話す癖は忘れていないらしかった。要らないところだけ覚えているものだ。
河「本当に…、?冗談、とか.やめて」
福「………思い出せない、です」
嘘。嘘だ。やめてくれ。
折角の福良からの愛情が。僕と福良との思い出が。福良の皆との思い出が。
全部、消えてしまうなんて。
河「…ご、ごめ……ふくら…ごめん…」
声を殺して泣いた。大丈夫ですか?という福良の優しい声が聞こえた。
背中を摩ってくれていた福良のはずの手が、なんだか他人の手の様に思えた。
ごめんね、河村。という空耳が聞こえて、その声だけが頭の中で響いていた。
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ハッピーエンドにならない;
んん、いつもどんより+意味不ですみません;
リクエストありがとうございました!
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みゆ(プロフ) - izmzで、mzkmさんが彼シャツをするお話を書いて欲しいです!お願いします! (2020年4月19日 22時) (レス) id: 2d938d2ba6 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - 鳩麦_烏龍さん» 了解しました!話少し短くなるかもしれません;; (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - いちごパフェさん» リクエストありがとうございます!了解しました。愛されはシチュ迷います笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - Yさん» リクエストありがとうございます!その2人組いいですよね^^*ふわふわ系、あんまり書かないので暖かい目で見てやって下さい笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - もちもちの餅さん» リクエストありがとうございます!了解です! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はち | 作成日時:2020年3月24日 12時