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伊沢 目線
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伊「はい、終わった」
ビニール手袋を外しながらそう言う。
福「…ぅわ、この量摘むの大変だったでしょ。、、ありがと」
捲られていた服を戻し、摘んだカスミソウがぱんぱんに入ったビニールを見て福良は言った。
伊「や、べつに。俺 なんか、福良の花摘むの好きだし」
福「笑 なにそれ、へんなの。なんか理由でもあるの?」
伊「……ぶちっ、て強めに抜くの、楽しいから」
というのは建前で、本音は「福良の背中が見れるから」である。
白くて骨ばっていて、肌はすべすべとしていて。
その背中に、指先だけでも触れられることが嬉しいのだ。(勿論、気持ち悪いというのは自覚している)
福「伊沢らしいや笑 でも、結構痛いからね。それ」
そう言って笑う福良はいつもの様に可愛かった。
その笑顔を向けられる相手が、自分だけで良いのに、と心の中で呟いて、
伊「笑 ごめんて。…、摘んだし、俺帰るよ。福良さんも程々にね〜」
とだけ言って早々にオフィスを出た。
うん、ありがとう。という福良のお礼の声が、頭の中で響いていた。
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福良 目線
伊「程々にね、」
と、花を摘んだ後に早々に帰ってしまった伊沢。
帰ってしまった、と思うという事は,伊沢が帰って残念だったんだな。と自覚する。
…夜のオフィスは寂しいものだ。
カタカタとキーボードの音だけが響くオフィスは、しん として妙に落ち着かなかった。
程々に、という言葉に甘えて今日はもう終わろうか。と考え、パタリとパソコンを閉じる。
帰る支度をし、オフィスの玄関まできたところで急な吐き気を覚えた。
福「…、っ ぁ"…ぅ、、」
慌てて口を抑え、口からソレをだす。
1日に2回、というのは今までに無かった。
無意識に片想いを拗らせてるんだなぁ、俺。
そして手にあったのは、赤いアイリスとマーガレット。
…伊沢が吐く花の花言葉がその人への想いを表すときもある、と言っていたのを思い出す。
アイリスと、マーガレットねぇ…。
…友情と、それから、信頼。
信頼を持てる、女友達なんて居たかなぁと記憶を探る。
そもそも、自分が本当に信頼しているのはqkのメンバーと、本当に尊敬してるって点では伊沢くらいだし。
なにか、ひっかかる。
福「…玄関で何考えてんだろ、俺」
ちょっと、何かが。ほんの少しだけ何かひっかかった気がしたけど、わかりたくない気がした。
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みゆ(プロフ) - izmzで、mzkmさんが彼シャツをするお話を書いて欲しいです!お願いします! (2020年4月19日 22時) (レス) id: 2d938d2ba6 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - 鳩麦_烏龍さん» 了解しました!話少し短くなるかもしれません;; (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - いちごパフェさん» リクエストありがとうございます!了解しました。愛されはシチュ迷います笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - Yさん» リクエストありがとうございます!その2人組いいですよね^^*ふわふわ系、あんまり書かないので暖かい目で見てやって下さい笑 (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - もちもちの餅さん» リクエストありがとうございます!了解です! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 3e89f23cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はち | 作成日時:2020年3月24日 12時