:QK: 短編集（BL）

休んでくださいﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ(地理×東工大) ページ1

福良 目線

ひどい頭痛で目が覚めた
ｼﾞﾝｼﾞﾝと頭の中で波打つような痛み、起きようとして気づいた体の怠さ。

自分の額に手を当てると、知らない内にこんなに汗をかいていたのか、手のひらにはべっとりと汗がついていた。

紛れもない、これは風邪だ。

特に風邪の原因になるような事をした覚えはないのだけど、、あぁ、そういえば最近ｽﾗﾝﾌﾟ気味で疲れが溜まっていたな。
それで免疫も弱っていたんだろう。
次からは無理しない程度に頑張るようにしよう。

そう自分を戒めて、薬のｽﾄｯｸはあったっけ、と戸棚へ向かう。

ついでに、せめて顔を拭くくらいはしたいな、と思っていたものの、一歩踏み出すたびに響く頭痛が辛く、断念した。

薬を取ったあと、水の入ったﾍﾟｯﾄﾎﾞﾄﾙを1本だけを冷蔵庫から出して、すぐにベットへ戻る。

先程までくるまっていた掛け布団が、ひんやりと肌に伝わるので、それで自身の体温が上がっていることに改めて感じる。

薬を飲んで、宮棚に置いてあったスマホを手に取る。

今日は伊沢さんにクイズ作りについて相談しようと、駅前で待ち合わせをして、ご飯でも食べに行こうと予定を立てていたのだが、この調子ではできないだろう。

LINEを開いて伊沢さんに電話をかける。(もうすぐ待ち合わせの時間、という時に起きてしまったしﾒｯｾｰｼﾞを送るより、早く電話で伝えた方が良いと思って)

すると、ちょうど2コール目が終わったと同時に繋がった。

福｢もしもし、福良です｣

伊｢もしも…おう、ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ、どした？随分眠そうな
声、というか篭った感じの声だけど笑 ぁ、寝坊？
時間間に合いそうになかったら10分は待つよ｣

福｢あぁ、いや、そんなんじゃなくて(あながち間違ってないけどね)風邪ひいたから、今日行けない｣

自分からお願いしたのに、申し訳ないと付け足す。
相変わらず爽やかな声に気分も少し軽やかになる。

伊｢ﾏｼﾞ？え、大丈夫？一人暮らしの時に風邪ひくと辛
いんだよな〜、ぁ、今日のは来週でも良いし、気に
しなくていいよ｣

流石伊沢拓司、優しさと気遣いは当たり前のように身につけてるよな。

福｢ごめん、辛いから寝てる｣

伊｢おう、ゆっくり休め〜｣

最後にありがとう、と返して電話を切る。

もう少し話していたかったけど、そればかりじゃ体調は良くならないだろうし、伊沢さんにも迷惑だろう。

そして早々に掛け布団で体を覆って目を瞑る。

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