女神と謳われた青年【男主】 (ページ33)

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女神が二十九人ページ33

「A様……」

『メリオダスを、僕の大切な幼馴染を返してもらうよ……！！』

そう言って僕はエリーの前に立ちながら短刀を構える
今魔力を使っても意味がない……なら、魔力を使わずメリオダスが封じられた石を奪う……！！

女の人の斜め後ろにいた人が女の人を庇う前に、
僕は素早く移動し、女の人の手元にある石の鎖に向けて短刀を振った
そして短刀は鎖に命中し、石と鎖が離れた瞬間、僕は石をキャッチし、今一番安全であろうエリーに向かって投げた

男の人は僕に向かって攻撃をしようとする……が、女の人の背後を倒れていたバンが取り、動こうにも動けなくなった

…………マズイなぁ、だんだんと嫌な気配が近づいてきてるんだけど～？
さっさとエリーとポークと一緒に逃げた方が良い気が____！？

『ガハッ……』

「A様！？」

少しでも隙を見せたのが悪かったのか、僕は思いっきり飛ばされ、防御をする暇なく崖に打ち付けられた
ああ、もうちょっと周りを見たほうがよかった気がする
そんな事を考えながら僕を飛ばしたであろう人物を見据える

「《反逆の罪》であるA・ルシファー。貴方もエリザベス様と一緒に王国へ連れて行きます。

……例え、エリザベス様同様に最悪の場合死体になったとしても……ね」

『は……ギー、それどういうこ____』

［どういう事？］

そう聞こうとした。その瞬間、僕の言葉を遮り爆発が起きた
！！エリーが、爆発された……？いや、あの女の人？
女の人がエリーを庇ったの……？

エリーが涙を流していく。悲しそうに、悔しそうに
ああ、……このままじゃエリーも僕も連れ去られる
動きたくても、何故か体が動かない。思うように、魔力を使えない

『……助けてよ……。

僕や、エリーを助けてよ……［メリオダス］……！！』

エリーが叫ぶ。メリオダスの名前を
僕も叫ぶ。メリオダスの名前を
僕とエリーのメリオダスの名前を呼ぶ声が、重なった気がした

そして僕とエリーの叫びに応えるように、メリオダスが封じられていた石が光る
石の光が収まっていくと一緒にだんだんと感じる懐かしい気配に、僕は体が反応した

周りの皆は異変に気付いたのか、魔人化したメリオダスを警戒し始める
魔人化したメリオダスは、辺りを見回しそして僕と目が合った瞬間に僕の方へ飛んできた