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弐拾弐 ページ24





「先生、ちょっといい?」

「んー? これ終わってからでいいか?」

「うん、じゃあ美術室で待ってるね」

「分かった」



まだトイレで作業をしていた柊先生に背を向けて、美術室へと向かう。
僕は、昨日からずっと気になっていたことがあった。

だからそれを訊くために、先生に話をしようと試みたけど、やっぱり忙しかったみたいで、また後でと言われた。

……美術室のソファで寝ていたら、先生も気付くよね。

トイレから出たあと、甲斐君たちが鉄パイプのようなものを持っていた気がしたけれど、あまり気にすることなく美術室へと向かった。

―――

『澪奈、最近元気ないよ? どうかしたの?』

『え、そうかな?』
『うん、なんか顔色も悪いし……なにかあったの?』

『いや……なんにもないよ』

『そう? ならいいけどさ』



あの動画が流される数週間か前に、澪奈の元気が少しずつ無くなっていた。
今思えばそれはきっと[やり逃げX]も関わっていたんだだろう。

ストー カーなんて、されたら怖いに決まっている。
僕も怖かったから。
ストー カーをされて、怖かったから。
柊先生がストー カーから助けてくれたから良かったけれども。

柊先生がいなければ、僕はどうなっていたかなんて考えたくもない。



『……A』

『ん? なーに?』

『あのね――』



あの時澪奈は僕に、なんて言ったんだろう?

大切なことのはずなのに、その言葉は綺麗さっぱり忘れてしまった。

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ハル(プロフ) - クロりんごさん» ファイト!(p`・ω・´q) (2019年1月31日 22時) (レス) id: 1d552beaf6 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - ハルさん» 応援ありがとうございます! (2019年1月31日 22時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - クロりんごさん» 名前変えたけん!後、読んだよ!めっちゃ良いね!(*≧∇≦)ノ頑張って! (2019年1月31日 21時) (レス) id: 1d552beaf6 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - 雨月さん» コメントありがとうございます!今日中にでも、あと数話か更新したいと思っているのでお待ちください! (2019年1月31日 17時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - ハルさん» コメント返信遅くなりすいません。てっきりKAI様と同じ方と思っていました。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月31日 17時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロりんご | 作成日時:2019年1月13日 3時

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