狗が三十匹 ページ32
「────ねぇ、後ろには気をつけた方がいいよー」
そんな軽い声色で、僕達が手こずっていたヒーロー殺しにとても強い蹴りを背後から入れたのは、最近まで学校を休んでいた桜庭君だった。
その蹴りの入れ方はとても戦闘が初めてとは思えないほどに慣れているようにも見えて。
そして同時に、なんでここがわかったのかが不思議でたまらなかった。だって僕は、彼のスマホの連絡先を知らない。
先生に聞いても、スマホの連絡先なんて知らないって返された。だから、クラスの皆に一斉に送信したとしても……彼には、桜庭君には届かないはずなのに。なんで────。
「────なんで、君がここにいるんだ！？」
思えば、USJ襲撃事件の時だってそうだった。彼はまるであの襲撃が起こるのを分かっていたように、犬神先生と入れ替わっていた。
……僕らは、桜庭君の事を何も知らないのだ。だから、どうして彼がここに来たのかさえも分からない。
「別に。散歩してたらたまたま君達見つけただけだから」
桜庭君は体制を整えて僕らの前に立つ。その後ろ姿はヒーローそのものだった。
「────さ、そろそろ援軍的なの来るだろうしさっさと終わらせよっかー。ヒーロー殺しさーん」
そう言って僕からギリギリ見えた彼の口元は、笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 343人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロりんご(プロフ) - みなみさん» うわぁぁぁ！ごめんなさいすっごい誤字ってましたごめんなさい！ 今すぐに直させていただきます！ (2018年6月25日 16時) (
レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 間違っていたらすみません (2018年6月25日 9時) (レス) id: c727fd24e4 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 狗が十一匹のオールマイトの個性はワンオーフォールじゃなくてワンフォーオールですよ。頑張ってくださいね。この作品、大好きです (2018年6月25日 8時) (レス) id: c727fd24e4 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - はらさん» ごめんなさい外し忘れてました！今すぐ外させていただきます！ (2018年5月8日 20時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月8日 20時) (レス) id: d9754f68d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クロりんご
| 作成日時：2018年5月8日 20時
