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episode0 ページ38
雅紀
もっと早く。
風が強く吹いて、
木々を鳴らして行くから雅紀くんの声が聞き取れなかった。
私
何？
雅紀
なんで、もっと早く、、気づかなかったんだろ。
さらに、大きく屈伸してブランコを揺らしたから、なんて言ってるのかわからなかった。
、
聞こえないよと、言おうとしたけどやめた。
、
、
それからどちらも話そうとはしなかった。
その、無言の時間が、私たちの何かを変えたんだと思う。
、
すっかり暗くなった道を二人で歩いた。
、
雅紀くんが何を考えているのか、
何を思っているのか私は考ないようにした。
、
少し前を、歩くかれの横顔からは何も読めないと思った。
私はただ、雅紀くんへのキモチを抑えることで必死だった。
、
すごく悲しい。
、
明日は、最後の席替え。
そして、そのまま卒業。
まだ、少し残っているけど、わたしと雅紀くんはもうお別れのような気がした。
席が離れれば、必然的にもう話さない。
これで、卒業すればいい。
そしたら。全部終わるんだ。
、
たとえくじ運がまた悪かったとしても
隣になった人とはもうならないから。
私はやっと解放される。
、
クラスメイトの女子からの視線も
今のれいちゃんとの関係にも
こんな自分からも
、
雅紀くんにも。
、
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作者名：遥 | 作成日時：2012年9月21日 12時
