episode0 ページ35
雅紀
〜っでさぁ、、、って、A聞いてる？
私
え、ごめん、何？
、
れいちゃんの、行為は日に日にエスカレートしていった。
れいちゃんは、ずっと仲良くして来た友達だから、特に大切にしたかったから、断りきれずにいた。
でも、自分の中で明らかに何かかわり始めていて
なるべく、雅紀くんを避けるようになった。
、
雅紀くんに、勘付かれたくなくて、会話を戻した。
私
あ、CDだよね、また買う前に聞くから、、
顔が見れない。
でも、普通にしたい。
雅紀
CDの話終ったし。
、
私
ごめん、、、
、
、
あまりにも、雅紀くんがそっけなくて、
うつむいてしまった。
なんか、もう、やだ、、、。
はやく、チャイムならないかな、、
、
雅紀
橋本。
突然、れいちゃんの名前がでてきて
ビクッとなってしまった。
、
雅紀くんは、そのまま続けた。
雅紀
橋本のいーなりになって楽しいの？
雅紀くんに、怒られてるようで
なんだか、泣きたくなった。
、
私
い、いーなりなんて、なってない、、、
雅紀
つーかさ、時々、コソコソすんの、やめろよ。
、
分かってたんだ。雅紀くんは。
雅紀くんは、知っていた。
、
私は、特に意味なく持っていた教科書のページをギュッと握りしめてしまって、
そのページがぐしゃぐしゃになるのも忘れた。
教室では、誰かの発言に爆笑の渦が巻き起こっていて、
私たちの席だけが、別の世界にいるようだった。
、
突然、私の手首を
暖かい手が包んだ。
雅紀
破れるよ。
、
私はハッと気づいて、そこから手を話すと
一言、ごめん
と、つぶやいた。
雅紀
今日学校終ったら、弁当屋のとこ、集合な。
今日はこれるだろ。絶対にな。
、
ゆっくり雅紀くんのほうを見た。
雅紀くんは、なんでかなぁー
なんて、いいながら、相変わらず教科書を立てて、ゲームの攻略本を読んでいた。
でも、そこはとっくにクリアしたところじゃ、、、
、
チャイムがなって、給食の時間が始まる。
雅紀くんは、放送係のファイルを持って
しゅんやーぁーっと叫びながら、教室を出て行った。
、
私は、今でも残る手首のぬくもりで
感じた。
、
雅紀くんの事が、好きなのかもしれないと。
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作者名：遥 | 作成日時：2012年9月21日 12時
