城のゴースト[男主] (ページ2)

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｢結局俺はこの城の中に縛り付けにされ続けて、何もできませんよ。でもハリー……君が魔法界を救った事は確かじゃないですか。｣

｢でも……｣

｢……君の子供にも、孫にも曾孫にも、俺はイタズラを仕掛けることが出来ます。それって楽しい事でしょう？｣

｢……｣

｢後悔なんていりませんよ。ハリー·ポッター。自分はただのしがないゴーストですから。｣

｢さぁさぁ、今日はもう寝る時間ですから。おやすみなさい｣

懐かしい夢を見た。

古い記憶、それでいて忘れられない記憶。

僕は彼が大好きだった。
時には兄のように、時には父のように。
背中を押してくれるのはいつでも彼だ。

｢レーティー｣
そう呼ばれていた彼は皆の憧れの存在だった。
暖かいという理由でグリフィンドール寮に入り浸り。
涼しいという理由でスリザリン寮に入り浸り。
僕達3人を見つければキャンディーをくれる変なゴースト。

レーティーという名前があだ名だと知ったのは1年生も半分が過ぎた頃だった。
本当の彼の名前は
｢アーヴィング·E·アイレンベルク｣
彼は自分の名前を自分でも不思議に思うと語った。

｢俺の名前はどっちも名字みたいだろ｣

そう言われても僕は彼の名前が好きだった。
勇敢で困ってる人を放っておけない彼にぴったりだと思ったからだ。

素敵な名前を持っているあのゴーストの事をもう少し思い出してみようか。

でも今は仕事に行かなきゃ。
僕にはやる事が山積みなんだ。