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ひょんな事から、俺はあのお隣さんに恋心を抱いていることを知った。

それを知ったからか、あれからは授業にも集中出来ていない。

だって、あの人…薮さんのことを考えれば考えるほど好きって感情が濃くなってくるんだから。

今度あったら話しかけてみようかな…

なんて考えていたら、いつの間にか机に突っ伏して眠っていた。

「よく寝てたね。笑」

山田に起こされた時には、授業はもう終わっていた。

ていうか…

なんか体が怠い。

「んっ、んん゙…」

それに、喉の違和感…

「ヒカ?…大丈夫?…具合悪いの?」

全くこいつは、相変わらず人の変化に超敏感。

体が弱い俺は、よく山田に心配かけてしまう。

「大丈夫!俺、今日バイトだから先帰るな。」

「……了解。無理すんなよ。じゃあね。」

一刻も早く帰りたかった俺は適当な理由で山田と別れた。

なぜなら…

「ごめん!ひかるー、そのボール取って!」

「おー!…っ、ゴホッ…いくぞっ…」

この病気特有の嫌な息苦しさが徐々に悪化してきているから。

サッカー部のやつが飛ばしてきたボールを何とか蹴り返して、足早に駅へ向かう。

大学の最寄り駅から家までは、30分ほど。

どうにか家には辿り着かないと…気持ちが焦ってしまう。

「ゴホゴホゴホッ…ハァ…くそ…」

今朝慌てて家を出たせいで、いつも持ち歩いている吸入器を忘れてきてしまった。

よりによって、薬のない時に発作が出るなんて…

それでも、家に帰るより近い病院は、絶対行かない。

「ハァ…ハァッ…く、るし…」

どうにか気力でもたせ、意識を失わずに家まで辿り着いた。

早く、くすり…

玄関の前で鍵を取り出していると、さらに喉の奥がキュッと狭まって息がしづらくなった。

鍵穴に鍵を差し込もうにも、もう立っていられない。

ガクッと膝から力が抜けて、もうダメだ…

そう思いながら倒れ込んだ

…はずだったが、気がつくと誰かに後ろから支えられていた

「大丈夫で…か?…かりますか!」

意識が朦朧とする中、誰かが何かを叫んでいるような声が聞こえる。

とにかく苦しくて、助けてほしかった俺は、力を振り絞って頷いた。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , やぶひか , 病系
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オムライス王子 - 面白くて、ドキドキしながら読まさせてもらっています。続きが気になるので、更新頑張ってください!応援しています! (2018年3月27日 15時) (レス) id: 0d3a15936a (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます (2018年3月26日 19時) (レス) id: a96fea6f39 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2018年3月17日 21時

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