【刀剣乱舞】故に。【ブラック本丸】 (ページ26)

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21*粟田口ページ26

「あ、お待ちください！」

白衣の裾をぎゅっと握られ、退散できなくなってしまった。

…何故。

「えっと、ど、どうしたの？」

恐る恐る振り返ると、おかっぱでキリッとした感じの男の子が半分涙目だった。

え？今涙目っていった？

「え、あ、ごめん。そんなに手入れされるの嫌だった？」

「いや。う、嬉しかったんです。」

嬉しかった？

「…人間が嫌いなのに？」

「…助けてくれる人間は好きです。それに、人間全員が悪い人間だとは限りませんから。」

わかってるじゃん。

「…ふぅん、そっか。それならいいんだよ。

俺は龍。一応ここの審神者になったよ。
それから、連れの薬研と鶴丸」

「よろしくな」
「よろしく頼む！」

「えっと、前田藤四郎です。
中にいるのは僕や兄さんたちと同じ粟田口の刀剣男士です」

「お～、よろしくね」

よかった。
粟田口はみんないいこなんだな。

他の本丸ではｷﾘｷﾘしてた長男も穏和な感じ。

…順調にいけば、いいんだけど。