▼ ページ24
あれから半間君は来ていない。
私はあの日のことが忘れられなかった。
『…はぁ。』
ずるいなあと思った。
これだけ私を夢中にさせておいて突然いなくなってしまった。
まるで猫みたい。
いやいや、でも別に私は半間君と恋人なわけじゃないし…！
考えてはやめ、考えてはやめを繰り返した。
『今日も来なかったな、半間君。』
結局あれはただの私の思い違いだったわけだ。うん、そうだ。
『…あれ？』
あそこにいるのって…
「きーさきっ♡なぁなぁどうやってとーまん潰すの？俺もやっちゃっていい？」
『半間君、？』
知らない男の人と半間君が一緒に歩いていた。見た感じ同い年？年下くらいだ。
き「黙れ、俺には俺の計画があるんだ。邪魔するならお前だっていらねぇ」
「厳しいなぁ。邪魔するわけねーじゃん、きさきといるとおもしれーんだもん♡」
き「はぁ…、」
男の人と一緒にいる半間君はとっても楽しそうだ。
私といるときなんかより、ずっと。
つらい。
もういっそのこと、言っちゃったほうがいいかな。
いや、そのほうがいいかも。
もしかしたら、もしかしたらってこともあるかもしれないし。
あの男の人がいなくなったら声をかけよう。
曲道で二人は別れて、そのタイミングで話しかける。
『は、半間くんっ！』
「あ？…、あー、伊織さんじゃん。」
覚えててくれた。それだけでもうかなり嬉しい。
「…なぁに？俺帰っていい？」
『あっ、いや、あの、えっと』
『私、は、半間君が、好きです！』
「は？」
『こないだ一緒に話してくれたときに、楽しくて、それで…』
「…だりぃ」
『…え？』
「俺は別にお前のこと好きじゃねーけど。お前といてもあんま楽しくねーし。てか話しただけで好きになんの？単純だね」
『え、あ』
「っつーことで。俺帰んね。」
『ま、って、！』
待ってくれることはなく、この場から消えた。
呆然。
しばらくその場から動けなかった。
段々理解して、涙が出た。
止まらなかった、人目なんか今更気にすることもなかった。
やっぱり私の思い違いだった。
『なんで…』
じゃあなんであんなに思わせぶりなこと言ったんだ。
最初から話しかけないでくれたら。笑いかけないでくれていたら。
結局半間君は最後までずるい人だったんだ。
『酷い』
半間君はなんていうんだろう。関係ないっていうかな。
酷いよ。
さよなら、私の恋。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 484人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yum(プロフ) - コメント失礼します！大人軸の三ツ谷くんで、風邪をひいたとき対応を書いていただきたいです！よろしくお願いします🙌 (12月18日 21時) (
レス) @page33 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
みたらしお餅 - 「ジョーカーと罰と大富豪たち【梵天】」でしたね。間違えてすいません！ (2021年7月31日 2時) (レス) id: 66ebc3e84f (このIDを非表示/違反報告)
みたらしお餅 - リクエストではないんですけど「ジョーカーと罰と大富豪【梵天】」のその後の事を書いてはくれないでしょうか？無理だったらすいません。 (2021年7月31日 2時) (レス) id: 66ebc3e84f (このIDを非表示/違反報告)
りら - 作者様リクエスト失礼します。灰谷蘭で彼女が病んでて寝れない時の対応書いていただきたいです。時間があるときで大丈夫です。 (2021年7月29日 22時) (レス) id: 93e165a3f2 (このIDを非表示/違反報告)
あやね【レペ狂】(プロフ) - れいさん» 読ませて頂きました！やっぱりれいさんの小説って本当にキャラが生きてるとゆうか、特徴すごく掴めてて本当に最高です…生理の時のお供にさせて頂けます、これで乗り越えられます…本当にありがとうございますm(_ _)m (2021年7月6日 20時) (レス) id: df6a0f70b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てんぷら | 作成日時：2021年4月30日 22時
