マイキーの嫁は不良の血が流れるお嬢様【佐野万次郎】 (ページ25)

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真面目な話ページ25

ほう、タケミっち勇者だねぇ。
女子の恋バナ中ならともかく、ぶっつけで私にこんなこと聞いてきた奴は初めてだ。

『面白いもの見せてくれたお礼に教えてあげよう。

　私達が知り合ったのは小学校入学前で、付き合ったのは中1の秋。
　
　あれ？この話したことないっけ？』

「エリーさんとまともに話したの土手くらいっすよ」
『じゃあないか。
　
　ちなみに小学校はずっとマイキーとつるんでた。
　エマちゃん、マイキーのお兄ちゃんともよく遊んだ。

　私、小2で両親亡くしててさ。
　それでも今笑っていられるのはマイキーたちがいたから。

　小5でマイキーとドラケンが仲良くなってからは3人でつるむようになった。
　私は一時期離れたりもしたんだけど、あの二人ほんっと仲いいよね～。
　ドラケンもよくマイキーの世話してくれるよ。

　マイキーのそばにいてあげたいけど、彼女だからこそ踏み入ることができない部分もある。

　ドラケンがいないとマイキーは危ういからね』

「ドラケンくんはマイキーくんの心…」

『よくわかってんじゃん、タケミっち！

　東卍総長、無敵のマイキー。

　だけど、マイキーだって1人の男の子。
　あいつが抱えてるもの、私だって一緒に抱えたい。

　昔、私を救ってくれたのはマイキーだからね』

タケミっちを見るとなんとも言えない顔をしていた。

こういう真面目な話、似合わないんだよなぁ。
急に恥ずかしくなって、頭を掻きながら言葉を探した。

『いや～重たくするつもりじゃなかったんだけどなぁ！
　私、ほんっとこういう話ダメなんだよね～！！
　変な空気になっちゃうというか～！』

「…エリーさん！」

急に真剣な顔をしたタケミっちが私をじっと見る。

悔しさをこらえるような、
そしてなにか覚悟を決めたような顔つきだった。

『ん？』
「…絶対、マイキーくんを離さないでください。

　ドラケンくんはマイキーくんの心だけど、
　エリーさんだって…」

やっぱり、タケミっちはなにかを知ってる。
なにかはわからないけど、こんなにもマイキーたちのことを思ってくれてる。

『タケミっち。大丈夫。
　なにがあっても、私はマイキーを離さない。

　マイキーと生きるって決めたんだから。

　マイキーの嫁、ナメんなよ？』