線香花火 ページ15
「A?おーい?生きてる?」
マイキーの声が聞こえて、ハッと我に返った。
目の前には不思議そうに私を覗き込むマイキーの顔があった。
手元にあった線香花火はとっくに落ちてしまっていたらしく、どこに火が落ちたのかも検討がつかなかった。
『マイキーと出会った頃のこと思い出してた。
親が死んだとき、そばにいてくれたのはマイキーだったなって』
「そんなこともあったな」
マイキーもどこか懐かしそうな顔をして、そこらへんに落ちていた木の枝で地面に落書きを始めた。
『なにそれ。猫?』
「正解」
『下手だなぁ、首から尻尾生えてるじゃん(笑)』
しばらくマイキーの落書きでケラケラ笑い、二人ともなんとなく立ち上がり、手を繋いでマイキーの家に帰った。
マイキーの部屋に入ってすぐ、電気もつけずベッドに押し倒された。
そのままキスをされた。
でもそれは強引じゃなく、大切なものを愛でるような優しいキス。
私もマイキーが愛しくてたまらなくて、
ふわふわした髪、なめらかな頬をそっと撫でた。
キスだけでいつもの倍甘い時間をすごした。
夏の蒸し暑い夜が明け、爽やかな空気が入ってくるまでお互いの大切さを確かめ合うように過ごした。
ちなみにヨーヨーの賭けの約束どおり、
マイキーは私の浴衣姿で存分に楽しんだらしい。
窓から明るい光が差し込み始めた頃、ベッドで抱きしめあったまま自分で言ってみる。
『ほんとマイキー私のこと好きすぎ』
「Aこそオレのこと好きすぎだろ」
『10年も一緒にいるんだぞ。
おかげで小学生のうちに四十八手知っちゃったんだぞ。
私の純情返しなさい〜』
「Aの全部オレが貰うんだからいーんだよ」
いつもみたいに前髪を上げていないだけで急に大人っぽくて。
ニヤッと私を見てくる悪そうな顔がたまらなくいい。
我が彼氏ながら推せる。
昔、このご尊顔を殴ったのか、私。(ヒナちゃんもだけど)
『昔、殴ってごめん』
「なに急に」
『でも私は悪くない。あれはマイキーが悪い』
「なんで謝った」
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二足歩行のブタ飼ってます(プロフ) - ランペ!楽しみにしてます!!!!!!!! (2021年8月19日 1時) (レス) id: a5d18007bb (このIDを非表示/違反報告)
みこっち(プロフ) - 陰ながら応援してます!頑張ってください (2021年6月17日 8時) (レス) id: 9ccc0a97c6 (このIDを非表示/違反報告)
リント* - 気配斬りのシーンがおもしろかったです!これからも頑張ってください! (2021年6月16日 18時) (レス) id: 0adec495e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つきうさぎ | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tukiusagi2014
作成日時:2021年6月12日 9時