マイキーの嫁は不良の血が流れるお嬢様【佐野万次郎】 (ページ2)

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お嬢様の帰り道は危険ですページ2

「花音さん、今日は歩いてのご帰宅ですか？」
『桜子さん！えぇ、今日はお迎えは断わったの』
「よろしければ、先日お話したお店にお茶しに行きませんか？」
『ぜひ』

これがお嬢様学校の帰宅風景です。
ここに通っているのは親が医者、弁護士、政治家・・・お金持ちのお嬢様ばかり。

ちなみに私も、親が有名企業を経営しているお金持ちですわ。
学校内でもトップ10に入るくらいの地位はありましてよ。
おほほほほ。

なんて口調は私には似合わない。
私、ほんとはお嬢様学校ってガラじゃないんだよなぁ。

先程の会話の通り、通学は車での送迎。
しかも専属の運転手。

いやーほんと何年経っても慣れないねぇ。
お金持ちって怖いわぁ。

桜子は中学校に入学してから3年間ずっと隣の席の大親友。
彼女はお迎えがくるほどではないものの、それなりに裕福な家庭。
珍しく歩いて帰る私を見かけて、お茶に誘ってくれたらしい。

大親友との楽しい放課後デートを楽しみ始めた矢先、

「かわいい子いんじゃーん」
「しかもあの制服、お嬢様学校だろ」
「お嬢様方どこへ行かれるんですかぁ～？？」

コンビニの前に座っていたガラの悪いお兄ちゃんたちが近づいてくる。
香水を振りまくってるらしく、近づいてくるにつれ匂いが強くなってくる。

うわ、くっさ。

桜子はこういう人を相手にすることは慣れてないだろうな。

…やっぱり、ちょっと震えてる。

その場で固まっている桜子の手を握り、その場を去ろうとする。

「おいおい、無視とか寂しいじゃんかよ」

1人が私の手首をぐっと掴んだ。
めんどくさ。

今、相手する気ないんだけどな。

思わず手が出そうになったその瞬間、

「じゃま」

いきなり後ろから機嫌が悪そうな男の声が聞こえた。
思わず振り返ると…

頭に龍の模様をいれた180㎝はある大男と背は低めの金髪ハーフアップ男が立っていた。

「ねぇケンチン。こいつらぶっ飛ばしていい？」
「やめとけ、マイキー。今日はこいつらの相手してる暇ねえぞー」

「お、おい、東卍のマイキーとドラケンじゃねぇか…！」
「なんでこんなところにいんだよ」
「それより早く逃げるぞ！」
「す、すみませんでしたぁぁぁ！！」

マイキー、ドラケンと呼ばれた男たちを見るや否や、
絡んできた男たちは尻尾を巻いて逃げ出した。