【TOKYO MER】輝く命とプライド

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「搬送完了ですね」





比奈：「はい、喜多見チーフに報告を」





チーフ、耳馴染みのない役職。



センターだと、役職名には○○長とついていた。




MERのポストはチーフ以外になにがあるだろうか。

本当に何も知らずに派遣されてしまったことを

実感した。




まずは、メンバーを知る事からはじめなければ。




「改めまして、救命救急センターより参りました

桜川Aと申します。」




比奈：「循環器外科、研修医の弦巻比奈です。


私、研修医で、何もできなくて。」





「兼任なんですか？大変ですね」





循環器外科だと基本外傷者は扱わない。

だから処置に自信がなかったのか。






比奈：「私、来たくなかったんです、MERなんて」



「私もですよ〜

ついさっき派遣が決まって

出動要請されたので、今ここにいます。」



センター長の唐突さを思い出して、笑ってしまった。



比奈：「すごいですね、桜川さん

私、嫌すぎて、笑えないです。」



患者さんの前では、研修医も医師も変わらない。




「いや〜、私は救急医療やりたいので。

それに、外傷者も循環器疾患患者も

命の重さは変わりませんし。」



自信のなさそうな彼女に少しむっとして、

少し、皮肉っぽいことを言ってしまった。





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