4.結局、自分も勝手だった ページ7
ビルの屋上で、これからの事について考える。
まず、この仕事を引き受けた時点で僕は犯罪者だ。護衛する、という事は、襲って来た者を始末せねばならない。立派な殺人。僕が生きていた前世の国じゃ、勿論牢屋入りだろう。…いや、多分こちらでもそうだと思うけど。
僕は、人を殺した事なんて無い。あ、殺された事はあるけど。…でも、他人の命を奪うなんて、………余りにも辛すぎる。この感情も殺さねばならぬのだろうか。
でも今の僕は、どちらかと言うと人を殺す恐怖よりも、高揚感を覚えていた。勿論、殺戮を遂行出来るから、という訳じゃない。したくない。
もし…もしだ。もし相手方が『ゾルディック』を雇っていたら？
まず僕は、主要人物に会いたい、というこの世界での望みをひとつ、叶えた事になるのだ。
ちなみにゾルディック家の一番の推しはイルミさんだ。友人からコミック借りた時死んだ。いや、割とマジで。あの方美しい。
……まぁ、そんなこんなで僕は今、心臓バクバクなのだ。
「ホント、どうするよ……」
いつも、敵を倒している漫画の主人公に憧れていた。そして今、自分も自身の敵を倒し…というと美化しすぎか。…殺し、他人を守るのだ。
勿論、人を守るのは良いことだろう。だが、方法があまりにも残虐すぎる。もし僕の精神が10歳のままであれば、立派な快楽殺人者になっていたのではないだろうか。
「…………恐ろしいものだ、」
10歳の見た目からは考えられないような台詞を口にし、結局、自分も自分勝手だということを思い知った。自らの保身の為なら、他はどんな犠牲が出ようが知ったことじゃないのだ。
自分の手で人を殺す。そこまでしてでも、僕は自分勝手な自身の望みを叶えたいのだ。
二度目の人生、親も早くに死んだし、このくらい望んでみたい。しかも漫画の世界だよ？勝手したいじゃないか。
……ま、殺さないに越したことはないけど。
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
:re(プロフ) - さなさん» ありがとうございます！誤字等が目立つとは思いますが、楽しんで頂けたようで何よりです！ (2017年8月16日 20時) (
レス) id: b31406f440 (このIDを非表示/違反報告)
さな - おもしろい (2017年8月16日 19時) (レス) id: ebf3cd243b (このIDを非表示/違反報告)
火怨(プロフ) - ありがとうございます。 (2017年7月21日 19時) (レス) id: c7b0e83110 (このIDを非表示/違反報告)
:re(プロフ) - 火怨さん» コメントありがとうございます！もう公開しましたので、どうぞ閲覧ください！ (2017年7月20日 20時) (レス) id: b31406f440 (このIDを非表示/違反報告)
:re(プロフ) - 光寿さん» コメントありがとうございます！続き公開致しましたので、どうぞ閲覧よろしくお願いします！ (2017年7月20日 20時) (レス) id: b31406f440 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：:re | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tokyoghoul1/
作成日時：2017年7月7日 0時
