突然の異変 ページ1
●坂本
いよいよ決勝リーグが始まる日。
緊張しつつも、ワクワクする…はずだったんだけど。
起きた時から身体が怠く、朝ご飯を食べていても、つい手が止まる。
おかしい。食欲ない……。
嫌な予感がして、部屋に帰って体温計に手を伸ばす。
『38.3℃』
え……?
熱っぽいとは思ったけど…。
こんなタイミングで風邪引くなんて。ついてないし、あまりに急で、事前に対処できなかった。
昨日まで予兆はなかったのに。
「えっと…風邪薬……あった。」
気休めかもしれないが、祈るような思いで水で流し込む。
今日明日の連戦が終われば、1日休みがある。
決勝リーグが始まるタイミングで、みんなに余計な心配や迷惑をかけるわけにはいかない。
なんか喉も痛い。
練習に向かうギリギリまで寝ていた方が良いはずだけど、寝ると余計に悪化する気もする。声が出なくなったりしたら周りにバレる。
38度も超えてしっかり熱があると分かると、なんだか余計にしんどく感じる。
知らなきゃ良かった…誤魔化しながら頑張れたのに。
『〜♪』
机の上で震えた携帯に目をやると、哲人からのメッセージ。
『軽く身体動かしに行きませんか?今からか、もう少し後とか。』
…珍しいな。
きっと、決勝リーグ前で落ち着かないのだろう。
身体を動かしていた方が気が紛れるのはよく分かる。
ムネでも誘って行けば良いのに…とは思うけど、頼ってくれてるのかな、と思うと嬉しくも感じる。
『良いよー。珍しいな、緊張してる?』
『昨日あんまり寝れませんでした(笑)』
『体調気をつけなよ?』
…どの口が言ってんだろうなぁ。
とりあえず…なんとか今日一日、周りに迷惑かけずにちゃんとやり切らないと。
準備をして、自主練に向かった。
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なな - いつも楽しく読ませていただいてます!!今ってリクとか大丈夫ですか...?松本裕樹投手がお腹の調子崩してご飯食べれなくなって、誰にも言えなくて倒れてしまうお話が読みたいです...!!! (4月8日 9時) (レス) id: bcff1801d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美咲 | 作成日時:2023年12月25日 2時