麗日お茶子【男主】：飴 ページ25
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口が寂しい。
「なあ、お茶子。口寂しい」
最近付き合い始めた彼女のお茶子の部屋に滞在中。可愛らしい女の子のような部屋だ。
だるん、と彼女の肩に腕を回し、遠回しにキスでもしようぜ、と誘う。わざとに顔を少し、でも気になる程度に近付けた。
お茶子は「んー？」と元から赤らむ頬で俺を見つめ首を傾げる。そして、「あっ」と思いついたように声を短く発すると俺から離れ、机の上の何かをガサガサと漁る。
なんだなんだ。キスしよう、ってことが伝わってねぇのか？
正面きって言うんだった、と今更後悔した。だがハッキリいうのは少し恥ずかしい。失敗したな、と後頭部をかいた。
いや、ワンチャンスキスあるか……？そんな淡い期待を抱いている間に、お茶子が俺の側まで戻ってきた。
「ん、これ！」
「……は？飴？」
「そう！飴ちゃん！」
ぱちりと大きな目で俺を見つめて、いつもの可愛らしい笑顔を浮かべる。やっぱり通じてなかったか。
ハアーっと深い息を意識的に吐いた。
「あれ、飴ちゃん要らんかった？」
「いや、貰う。ありがとな」
「うん！」
差し出された飴はいちごみるく。包装を破いて口に放り込むと、口の中にじんわりと甘い味が広がった。
本当ならお茶子を味わってる筈だったのに……。
ころころと口の中で飴を転がし、その飴を味わう。いつ食べても美味しい味に悲しくなった。お茶子なら、おもち味か何かかと思ったわ、なんて下らないことを考える。
「A」
ふいに名前が呼ばれたかと思うと、既に近くにお茶子の顔があって、驚嘆する。
段々と近づけられた顔は、遂には俺の顔まで数センチとなり、そして俺と彼女の唇が重なった。
お茶子の思いがけない行動に、暫く声が出せずに、目をぱちぱちと瞬きさせていた。
唇から離れた彼女の温もりが名残惜しい。
「……Aを驚かせる作戦！
…な、なぁんて……ね」
いつもの赤らむ頬よりも確実に赤くなった頬が異常に愛らしく思えた。世にいう“萌え”。飴は舐める派なのだが、思わず噛んでしまった。
ガリッと噛んだ飴の音が沈黙の部屋に響き渡った。
ちゃんと口寂しいの意味を汲み取っていたのか。なんて策士家なお茶子。
俺はまんまとしてやられた。
「お茶子、可愛いすぎ……」
「……あああ……やめとくんやった。恥ずかし…」
「いや、可愛い」
「やめてぇ…」
神様ありがとう。
と、いつもは拝まない神様にこんな時だけ感謝した。
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雷光 - 睡眠さん» 色々な花を咲かせたり出来る不思議な個性のことです 私も小説作者で名前は…ホープローズです 常闇君小説家です是非読んで感想を述べて下さいね (2018年3月25日 19時) (
レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - 雷光さん» コメント返しが遅くなってしまい、申し訳ありません！リクエストありがとうございます。常闇くんは書いたことがないので、キャラブレしてしまうかもしれませんが精一杯頑張ります！花の個性というのは、どのようなものでしょうか…？ (2018年2月18日 16時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
雷光 - リクエストいいですか？常闇くん＋花の個性少女との初恋をお願いします！出来ればいいので！ (2018年2月15日 7時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - 月村美輪さん» 期待に添えたでしょうか(；；)リクエストありがとうございました。楽しく書けました！ (2018年1月4日 0時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
月村美輪(プロフ) - 睡眠さん» リクエストの解消ありがとうございました！ (2018年1月3日 19時) (レス) id: 7580141f77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡眠 | 作成日時：2017年12月24日 19時
