爆豪くんと初めて会ったとき―3 ページ5
新しいクラスメイトとの絡みもそこそこに、放課後家へ一人で帰宅している途中に、爆豪さんに出会った。
目が合ってしまったので、会釈すると何故か話す流れになった。何故一人なのかを聞くと、友達と別れた後らしい。
「……あの、先日は本当にすみませんでした。本音が思わず」
「初対面に怖いは失礼だろうが」
「いや爆豪さんも結構失礼ですよ」
「黙っとけ」
怖い怖いと思っていた彼は、話してみると案外普通に話せる子だった。いや、怖いことには変わりない!
「個性なんなんですか?」
「爆破すんだよ」
「ば、爆破……うわ、ぽいわ」
“爆破”と聞いて、彼にとてもしっくりきた。
髪の毛も爆発的に尖ってるし、言葉も爆発的に悪いし、ズボンも爆発的に腰パンだ。
「オメーはなんだ」
「私は、手から水を噴射します。…まあ、水鉄砲程度の威力ですが」
「没個性じゃねーか」
「ぼっ!?!?!!??」
あまりの衝撃な言葉に頭文字しか発せなかった。
前の中学の頃は、みんな私のヘボ個性を分かっていても決して口には出さなかったっていうのに!
没個性…………腹立つけど一周回って面白くなってくるのは私のツボがおかしいせいだろうか?
「はっはっは!はは、没個性て…ヒイッ、ヒッ」
急に笑い出す私に驚いたのか、引いたのか、戸惑っているのか。
笑っていて顔は見えないが……というか、そんな事よりも、“没個性”というワードが私の頭の半分以上を占めており、彼の反応を考える暇などない。
私の引き笑いは自分でも思う程に気持ち悪いのだが、どうしても“没個性”がツボってしまったのだ。一度ツボればなおらない。
普通はほぼ初対面の他人に暴言ともとれる言葉を吐くのは躊躇うのだが、彼はスッと言って見せた。
それが何だかおかしくて仕方がない。
「ヒーッ……フフッ」
「……お前の笑い方クソ気持ちわりぃな」
「言わないで……」
なんとか隣人とはやっていけそうな気がした。
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時