1週間ぶりの ページ25
久しぶりに爆豪くんが私の家に来た。体育祭後の1週間ぶりだ。
ここ1週間は職場体験で忙しかったらしい。そして久しぶりに私の家に来た爆豪くんは心なしか苛立っているように見えた。
なんで私の家に来る時だいたい苛立ってるんですか、ほんともー。
「久しぶりだね、爆豪くん」
「あ?んなことより茶ァ出せや」
「この相変わらずの横暴さよ……」
1週間爆豪くんに会えなくて寂しかったの私だけだったようだ。嬉しい、という感情は彼から見受けられない。片思いってした事なかったけど、こういう時にやっぱり一方通行って辛いもんだな、と思う。
仕方なく1階へお茶を取りに行く。
昔、お茶にクレームをつけられたので、今回はガラスのコップに氷を数個入れてからお茶を注いだ。これでぬるいなんて言わせない。
冷凍庫に棒アイスが入っていたので、2個取り出して一緒に2階へ持っていく。
「爆豪くん、アイスいる?」
「いる」
私が渡した棒アイスを舐める爆豪くんを見てふと思った。
────なんで爆豪くんっていつも私の家に来てくれているんだろうか。
私が好きだから、なんて都合の良い妄想はできない。彼は常にトップを狙い、それに向かっていける力を持っている。そんな彼が私を選ぶはずがない。
この家によく来てくれるのは、漫画が好きだからなのだと思っていた。でも彼はあまり好きではないという。それに今日は漫画を読んでいない。
じゃあ、なんで。
誰かと話したいからだろうか。近くに私がいるから、話に来てくれるのだろうか。彼って、そんなに人を求める人だったか。
それならクラスの仲のいいお友達と遊べばいい話。私といるよりは楽しいだろう。
私はよく知らないが、爆豪くんには仲のいい友達がいる。きっとその中には女の子も含まれていて────
そう考えた瞬間に心を渦巻いた黒い感情。
そして私の口は自然と動いていた。
「爆豪くんって、好きな人とかいるの?」
爆豪くんは、大きく見開いた目を私と合わせた。
って、何言ってるんだ、私!!何してんだ、好きな人なんて聞いてどうなる。私がただショック受けるだけだ…!
爆豪くんは、私から目を逸らし、目を泳がすと「んだよ、急に…」と呟く。
……いる時の反応なんじゃないの、コレ。
中学の頃に友達同士が恋バナをしているときの友達の顔が爆豪くんに重なった。
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時