爆豪勝己とかいう隣人が強引すぎる件について【ヒロアカ】

雄英体育祭―考え事 ページ22

私は、あんなに楽しみにしていた雄英体育祭もそっちのけで考え事をしていた。

それは先程友人Aに指摘されたこと。


私ってそんなに爆豪くんのこと考えているのかな。よくよく考えれば考える程、私は爆豪くんのことを考えていて、誰よりも口にしている名前が“爆豪くん”だ。


───抱きつかれたからじゃん？
いや、その前からずっと考えてるよ。

───じゃあ、母親目線で爆豪くんを見てるみたいな？母親なら子供のことをずっと思ってるのはおかしくないよね。
いや、母親は抱きつかれても顔なんて熱くならないよ。


いくつか、爆豪くんのことを毎日のように考えている理由を思い浮かべてみたが、否定ができるものばかりだ。


───じゃあ、爆豪くんが好きってこと？



「…………うわぁっ…！」

「え、どした」

「なんでもない……！！」



一番しっくりきた考え。
否定はできない。その代わりにすごく納得がいく。

今まで人を好きなった事なんてない私は、初めての“恋”という感情に軽くパニックを起こした。

というか恋ってなんだよ、別に食欲なくなる訳じゃないし、胸が痛くなるわけでも……いや胸は痛くなったな。顔が赤くなるわけでも……いや顔は赤くなったな。爆豪くんが他の子と話してたらモヤモヤするわけでも……いや友人Aが爆豪くんを褒めてた時モヤモヤしたな。


恋してるじゃんか。



───なんてことを、オールマイトが爆豪くんに無理矢理メダルを渡しているのを見ながら考えていた。

爆豪くんは見事優勝したのだが、それが気に食わないのか凄く怖い顔をしていた。どんだけ気に食わないんだよ。



体育祭そっちのけで爆豪くんについて考えてはいたのだが、みんなが戦っている所はちゃんと見ていた！

爆豪くんが女の子と戦っていて、一方的な彼の攻撃に一部からブーイングが出たが、彼は相手の力を認めて警戒していたからこその攻撃だった試合。

爆豪くんが赤毛の体が固くなる個性の子と戦って、爆豪くんが容赦ない絨毯爆弾で勝った試合。

爆豪くんがカラスみたいな子の個性の弱点を暴いて爆豪くんが勝った試合。

爆豪くんが、髪の毛がツートンカラーの男の子と戦って、爆豪くんが勝ったのだが、ツートンカラーの子が舐めプだったか何かで、爆豪くんが全然納得がいかなかった試合。



……全部爆豪くんだよ………………。

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