爆豪くんの七不思議 ページ12
爆豪くんが先日、なぜ私に抱きついてきたのか。
抱きつかれた後も、次の日も、そのまた次の日も彼はそのことについて一切触れない。
最大の謎である!
きっちりとその謎を突き止めて、この胸あたりのモヤモヤをなくしたい!
抱きつかれた時は、新手の攻撃やらドッキリやらと、色々と考えたが、爆豪くんはそんなことをする柄ではない。
何か理由があるはず。
嫌なことでもあったのだろうか。
まあ、いい。明日は土曜日だ。たっぷり時間がある。久しぶりに爆豪くんの家に突撃して、事情聴取してやる。
私に抱きついたんだ、ジュースのひとつでも出してもらおう。
────などと、悪い企みを持っていたからであろうか。
風邪を引いた。
事情聴取は中止となった。
「うぅ……」
先程図った熱は37.8度。
食欲はないし、体は怠い、節々が痛い。まさに風邪。
このままじゃ、風邪は明日まで長引きそうだし、なぜ爆豪くんが私に抱きついたのかも聞き出せないだろう。
そのまま迷宮入りになる可能性だってある。
もしかして、爆豪くんは意味もなく抱きついたんじゃ。ありえる……かは分からないけど、意味なく人に抱きつきたくなることだってあるだろう。
きっと、その場にいたのが私ってだけ。
それとも、私だから……
……ああ、違う違う。熱のせいで頭がおかしくなってきてる。さっさと寝て、風邪を治そう。
刹那、ピンポーン、とチャイムのなる音が微かに聞こえた。
誰か訪ねて来たんだ。
爆豪くん、ではないと思う。
爆豪くんには風邪を引いたことを伝えたから、風邪がうつるリスクを冒してまで、わざわざ会いに来ることはないだろう。
階段を登っている足音がする。
お母さんがご飯を持ってきたのかな。いらないって言ったのに。
そして、私の部屋の扉が開く音。
「おい」
聞こえたのは母の声ではない。
今までずっと考えていた彼の声。
「…………え、爆豪くん?」
声は、風邪によってやられた喉のせいでカスカスだった。
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時