爆豪くんの七不思議―3 ページ14
もっと熱があがってきたみたいで、先程より苦しく、吐き気もしてきた。
体が、熱いのに寒い。春なのに布団を被らなければ凍え死にそうなくらい。
久しぶりに風邪ひいたけど、こんなにきついもんだったかな。
思考がだんだん回らなくなってきた気がする。寝ようにも気持ち悪くて眠れない。
爆豪くんは大丈夫なのかな。
私の漫画を読んでいる彼を見つめる。
最初から心配なのは心配だったのだが、最初はすぐに帰ってしまうのだと思っていた。だが、思ったよりずっとここに居る彼に風邪がうつらないか、だんだん心配になってきた。
風邪うつるかもしれないのに漫画読みたいのかよ。どんだけ漫画好きなの?
「ばく、ごーくん……風邪、うつるよ」
「大丈夫だわ、マスクしてる」
いつの間にかマスクをしていた爆豪くんが、漫画を読みながら返事をした。
ああ、なら大丈夫か。……いや、大丈夫じゃないよ、マスクしててもうつるもんはうつる。
「うつるよ…」
「うつらねぇ」
「……うつる」
「うつらねぇっつってんだろ!死ね!」
再びつり上がる眉毛と目。
私めっちゃ爆豪くん怒らせてしまう……ごめん爆豪くん。また怒るかもだけどもう少し喋らせて。まだ聞きたいことがあるんだよ。
「ばくごーくん…………なんで、抱きついたの」
急に話を変えたからだろうか、それともこの話を持ち出したからだろうか。爆豪くんの動きがピタリと止まる。
熱で頭がやられている私には判断がつかない。正常なときでもつかないかもしれないけど。
暫くの沈黙の後に、急に爆豪くんが立ち上がって、私を見下ろした。
「この間は、戦闘訓練で……デクの野郎に負けた」
「ああ……泣いてたもんね…」
「うるせぇ、殺すぞ!」
爆豪くんは一瞬怒ったけど、またすぐにおとなしくなった。
「抱きついた理由なんてお前に言った所で、どうせ分かんねぇよ」
「……なんで」
爆豪くんはその質問には答えずに、再び座り漫画を読み始めた。
なるほど、緑谷くんに負けちゃったのか。
それは爆豪くんからしたら色々メンタル的にも大変だっただろう。
それでも爆豪くんは、そんな事で挫折したり不貞腐れたりするような子じゃない、って勝手に思ってるよ。
爆豪くんの行動のちゃんとした意味までは分からなかったけど、一応の理由はわかった。
モヤモヤがスッキリして、その後は不思議と眠ることができた。
起きると夕方になっていて、彼は家に帰ったようだ。
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時