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✿結婚報告。 ダブル【須藤霧彦】 ページ33

✿Makua*ぼっち様リクエスト✿

NOサイド

Aは、幼馴染である須藤霧彦と、カフェで待ち合わせをしていた。

こんな事は今まで余り無かったから、連絡が来た時はびっくりした。

しかも、Aは霧彦の事が好きなのだ。

緊張しない訳は無い。

向こうにデートの心算があるのかは不明だが、少しでも期待してしまって、目一杯のオシャレをした。

そしてカフェに行くと、既に霧彦は来ていた。

更に。

隣に座っていたのは綺麗な女の人。

Aは知らない人だから、会社の関係者だったりするのかと疑問を持ちながら席に近付く。

『霧彦。来たよ』

声を掛けると、彼は顔を上げて、椅子に座る様に促した。

Aが席に座ると、女の人はペコリとお辞儀する。

冴子「初めまして。園咲冴子と言います」

『初めましてっ……!Aです』

Aは意味が分からないながらに自己紹介をする。

『えっと……霧彦……、今日はどうしたの?』

そう切り出すと、彼は言う。

霧彦「Aは幼馴染だし、1番に報告しようと思って。この度、冴子さんと結婚する事になりました」

それを聞いた瞬間、ガンッと頭を殴られた様な衝撃が走る。

『そうなの?』

冴子「実は、ディガル・コーポレーションと言う会社があるのですが、そこに嫁いで貰う事になったんです」

Aは出来るだけ精一杯笑顔を作って言う。

『そうなんですか。ご結婚おめでとうございます!!』

霧彦「まあ、そーゆー事だから。いきなり呼び出してごめんね」

『ううん。じゃあ、私行くね。報告ありがとう』

Aはそれだけ捲し立てると、走って人気の無い裏道を目指す。

ヒール付きのパンプスを履いていた所為で靴擦れを起こしたが、もうそれも気にならなかった。

裏道の隣のお店の壁に背中を預けて座り込む。

一気に涙が溢れた。

声が漏れない様に、指で口を抑える。

『んっ……んっ……、私の方が、ずっと好きだった!!!でも…でも……可愛く無いし、地位も無いし、霧彦には似合わないよね……』

自嘲気味にそう言って嘲笑う。

走った所為で髪はボサボサ。

踵からは血が滲んでいる。

裏道に座り込んだから、服も若干汚れている。

Aは、誰も居ない空間でポツリと呟いた。

『諦め切れないよ…………』

ザアァッと降り出した雨にその声は掻き消される。

涙が雨か分からない水滴が、Aの頬を伝った。


リクエストありがとうございました✨

✿偉そうな人。 ゴーオンジャー【須塔大翔】→←✿自分だけが。 ゲキレンジャー【深見レツ】



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カテゴリーJ♢桜もち。 - 琴音さん» 読んで下さりありがとうございます! (2022年8月1日 15時) (レス) id: e053f66a6e (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - めちゃくちゃキュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年7月30日 12時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - 【皆様へ。】続編を作成致しましたので、リクエストはそちらによろしくお願いします! (2022年7月19日 16時) (レス) id: e0cfb8d420 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - Makua*ぼっちさん» 気に入って頂けて良かったです (2022年7月19日 16時) (レス) id: e053f66a6e (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - 小悪魔chan!さん» 了解致しました (2022年7月19日 16時) (レス) id: e053f66a6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*桜もち。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9826skrmt/  
作成日時:2022年7月8日 22時

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