ヒーローと甘々。その１７。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿慰めだけでは無いけれど。　ドンブラザーズ【マスター】 ページ32

✿永遠のJK様リクエスト✿

ＮＯサイド

はるか「マスター、Aの事よろしく！んじゃ！」

ある日の喫茶どんぶら。

日も暮れて空に星が瞬く時間帯。

津野角高校の生徒である鬼頭はるかは親友であるAをマスターに押し付けて帰って行った。

Aはと言えば泣いていて。

マスターは彼女をカウンター席へ案内し、Aのお気に入りのレモネードを出す。

Aはそれをごくごくと一気飲みすると、空になったコップを差し出す。

『お代わり！！！』

マスターはそんな様子のAを見て酷く驚いた。

いつもは大人しい子だから、予想外だったのだろう。

マスター「落ち着いて？何があったの？」

一応はるかに彼女を任されているのだ。

話だけでも聞いてやろう。

するとAはまた盛大に涙を流した。

『彼氏に振られました………！！！』

Aはそう言って、レモンの薄切りを口に運ぶ。

いつもなら酸っぱいから、と直接口にする事は無いのに。

それからマスターはAの話を聞いた。

どうやら長く付き合っていた彼氏に振られ、しかもその彼氏は二股をしていたらしい。

打ちのめされたAはついさっきまで、はるかとカラオケやらショッピングやらに行っていたのだとか。

しかし、はるかも疲れたのだろう。

ここに来る事になったのだそうだ。

Aは話し終えると、ブツブツ言いながらココアシガレットをもそもそと口に運んだ。

そんな彼女を見てマスターは苦笑いする。

マスター「何か残業終わりのＯＬみたいだね」

『………何ですかそれ。誂わないで下さい』

Aはそう言って頬を膨らます。

それから目元の涙を拭った。

マスター「ねえ」

『はい』

マスター「俺と付き合ってみる、なんてどう？」

『え？』

マスターのいきなりな発言にAはポカン、と口を開く。

マスター「次に付き合う人は居ないんでしょ？」

『居ませんけど………』

マスター「じゃあどうかな」

マスターに淡々と告げられ、Aは閉口する。

それからまたココアシガレットを口に運んで、小さく答えた。

『だったら、次誰かと付き合うまで、私を慰めて下さい。私、このままじゃ恋が嫌になりそうだから』

マスター「良いよ」

マスターは直ぐに了承して、コーヒーを一口。

マスター「慰めの心算は無いんだけどな……」

『何か言いました？』

マスター「何も」

マスターはそう言ってまたコーヒーを喉に流し込んだ。





リクエストありがとうございました✨

✿秘密のデート。　ゴーオンジャー【楼山早輝】→←✿弱き姫に騎士を。　キングオージャー【ヤンマ・ガスト】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す