ヒーローと甘々。その１７。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿カッコ悪くて素敵。　ドンブラザーズ【雉野つよし】 ページ28

✿南里音亜様リクエスト✿

ＮＯサイド

雉野「も〜、Aちゃんどうしたの？そんなに見つめて。照れちゃうってば」

雉野つよしはAにそう言いながら頬を赤らめる。

Aと雉野はほくほくの新婚である。

最近同棲し始めて、引っ越し後漸くゆっくり出来る様になった頃だ。

『だってお家につよしくんが居るのが不思議なんだもん。えへへ』

Aはそう言って笑う。

新婚なだけあってかなりラブラブである。

だがしかし、雉野は緩めた頬をバチンと手で叩くと真面目な顔をした。

いつもと違う彼に、Aは不思議そうな顔をする。

『どうかしたの？』

聞くと雉野は怪訝な顔で答えた。

雉野「いやぁ、僕だって男なのにこんなデレデレしてて、照れちゃってカッコ悪いなって。顔もイケメンじゃないし、せめて中身だけでもカッコ良くなろうかなって」

雉野はそう言って立ち上がった。

雉野「だから僕、ちょっと男磨きするから部屋に居るね。と言う訳でよろしくね！」

雉野は部屋へと入って行った。

それから雉野は部屋から出て来なくなった。

Aは晩ご飯を作り終えると、雉野の部屋のドアをノックする。

『つよしくーん？ご飯出来たよ』

雉野「ごめん。後で食べる」

雉野はそう言うが、Aはボロボロと涙を流した。

雉野「えっ、Aちゃん泣いてるの！？」

雉野は慌てて駆け寄って来る。

『私、今のつよしくん好きじゃない』

雉野「え？」

『私ね、カッコ悪くても素敵なつよしくんが好きなの。だから無理矢理男らしくとかしなくて良いよ』

Aが言うと、雉野は気不味そうに閉口して俯いた。

『………カッコ悪いのと、素敵って違うと思うんだよ。カッコ良くても魅力的じゃなかったり、カッコ悪く見えても輝いてたり。だから、私つよしくんなは今までのつよしくんで居て欲しい』

Aは潤んだ瞳で雉野を見つめる。

雉野の言葉を待っている様だ。

雉野「………ごめんね、Aちゃん」

雉野は小さく零してAの頭を撫でる。

雉野「僕、自分のダサさに自分で幻滅してた。コンプレックスだった。でもそっか、そうなんだね………。Aちゃんがそう言ってくれるなら、何か勇気出て来た。ありがとう」

雉野ははにかんで立ち上がる。

雉野「だから、今から一緒にご飯食べて、お風呂入って寝よう？」

雉野の言葉に、Aは笑って頷いた。




リクエストありがとうございました✨

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