ヒーローと甘々。その１７。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿１番星。　フォーゼ【朔田流星】 ページ24

✿姫桜様リクエスト✿

ＮＯサイド

朔田流星は新学期の初めのクラス替えで、自分の隣に座った人物を見て目を見開いた。

その人物はA。

流星が密かに片想い中の相手である。

クラスが同じになったのはこれが初めて。

では何で流星が彼女に想いを抱いているのか＿＿＿。

流星は、ホームルームが終わると直様Aに話し掛けた。

流星「初めまして。朔田流星です。よろしく」

『初めまして！Aです。よろしくね』

そう挨拶を交わした所で、流星はAに言った。

流星「Aさんってさぁ、廊下に絵飾られてる……よね？」

『“天ノ川”の事？』

流星はこくん、と頷く。

“天ノ川”はAが大会で最優秀賞を取った作品だ。

暗い色で星々の輝く空を描いてある。

流星は初めてその絵を見た時に、Aの描く作品の魅力に惚れ込んだ。

それで、Aに特別な想いを抱える様になったのだ。

でも流星は、“天ノ川”を見る度に何処か物悲しさを感じた。

それをAに伝えると、どうやらAも“天ノ川”には少し蟠りがあるみたいだ。

『ホントはね、最初織姫と彦星を描いてたの。でも、私は恋をした事が無いから、どうしても上手く描けなくて。だから真っ黒く塗り潰して空にした』

Aが少し悲しそうな顔をするので、流星も閉口する。

『織姫と彦星に希望を、１番星みたいな幸せをあげたい。そんな素敵な絵を描きたい。でもそんな１番星を、私はまだ見付けてないから……』

Aの言葉を聞いて、流星は半ば勢いで口を開いた。

流星「じゃあ、俺がAさんの１番星になるよ」

『へっ？』

流星の突然な発言にAは目を白黒させる。

流星「いきなりだけどさ、俺ずっと前から、“天ノ川”を見てから、Aさんの事が好きだった。だから、“天ノ川”に光を与えたい。俺が、Aさんの力になりたい」

流星はそう言って、気付けば立ち上がっていた。

Aは呆然としてから、顔を赤く染め小さく頷く。

『じゃあ、これからよろしくお願いします………？』

少し首を傾げながらAは手を伸ばす。

流星がその手を握ると、忽ち教室は湧いた。

クラスメイト１「ヒューヒュー！！クラス替え初日から熱いねぇ」

クラスメイト２「カップル誕生だ〜〜〜！！」

その言葉に、２人は赤くなる。

そして手を繋いだまま教室を出た。

明るい空では、見えない星が微笑んでいる。




リクエストありがとうございました✨

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