ヒーローと甘々。その１７。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿本気は運命を呼び起こす。　エグゼイド【九条貴利矢】 ページ19

✿STメイソン彩華@元心彩様リクエスト✿

ＮＯサイド

貴利矢「ん。もう異常無いみたいだね。退院して良いよ」

聖都大学附属病院にある電脳救命センター、通称ＣＲ。

Aはそこで、数日程入院していた。

原因はバグスターウイルス感染症、通称ゲーム病である。

そして今日、担当医だった九条貴利矢から退院して良いとの許可を得た。

Aは荷物を纏めると、立ち上がってお辞儀をする。

『九条先生。ありがとうございました。それと………』

Aは少し俯いてから小さく零す。

『………私、先生の事が好きです』

その言葉で、周りの空気がピン、と張り詰めた。

すると貴利矢は口を開く。

貴利矢「………ごめんけど、あんたみたいなガキ、自分嫌いだから。諦めて」

『………そう、ですか。ありがとうございました』

Aはそう言って重たい足を引き摺りながら病院を後にした。

それからAは普通の高校生活に戻った。

でも貴利矢の事が頭から離れず。

来る日も来る日も彼の事を考えていた。

そしてあっと言う間に卒業式の日。

３年生であるAは今日で高校生活の幕を閉じる。

４月からの進路は、聖都大学の医学部。

どうしても、彼の事が忘れられなかったから。

だから学年順位下から５番目でも、頑張って勉強した。

彼に会う口実が欲しかった。

そしてAは高校を卒業、４月に聖都大学へとやって来た。

Aが大学に慣れた頃のある日。

廊下で後ろから誰かに呼び止められた。

振り返れば、そこには貴利矢が居た。

『九条先生………』

Aは気不味そうに目を逸らす。

貴利矢が口を開いたので、Aは身構えた。

貴利矢「聖都に入ったんだ？何で？」

Aは震える声で伝える。

『九条先生に、会いたかったから。一緒にお仕事とかしたかったからです』

すると、貴利矢はニカッと笑って言った。

貴利矢「………本気だったんだ」

貴利矢はそう言ってAを抱き締めた。

『えっ？』

貴利矢「ごめんね。前は嫌いとか言って。Aちゃんから学校の話聞いた時、恋バナが多かったから、てっきり軽い気持ちだったと勘違いしたんだよね」

貴利矢はごめんね、と繰り返す。

貴利矢「でも本気って分かったから。だから……これからまたやり直しませんか？」

貴利矢に言われ、Aは半泣きで頷く。

『やっと全部報われた気がします……！！これからよろしくお願いします！』





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