ヒーローと甘々。その１２。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿出来る後輩。　ドライブ【泊進ノ介】 ページ28

✿チーズバーガーをチーズぬきで！様リクエスト✿

ＮＯサイド

『こちらの資料完成致しました！』

『お疲れ様です！お茶を淹れたのでどうぞ！』

『ホッチキスの替えなら私が買って来ましたよ！』

そう言って上司達に笑顔で話しているのは、新人であるAだ。

彼女は気が利く。

優しい上に仕事も出来る。

嫌な顔１つしない。

そんなイメージである彼女は物腰が柔らかく、上司諸々直ぐに親密になり、仕事での大役を任される事も多い。

もはや上司よりも仕事が出来る気がする。

そして、そんな彼女の事は、勿論泊進ノ介も知っている。

進ノ介は、ある日の昼休み、お疲れであろう彼女の姿を見て駆け寄る。

進ノ介「お疲れ様。これ、どうぞ」

そう言って進ノ介はカフェオレの入った缶を渡す。

『お疲れ様です。態々差し入れさせてしまってすみません。私は大丈夫です』

Aは申し訳無さそうに眉を下げながら言う。

折角あげると言うのに、何で謝るのだろうか。

可愛くない後輩だ、と思って、進ノ介もぶっきら棒な態度で言う。

進ノ介「俺ブラックしか飲めないから」

進ノ介はそれだけ言うと、缶をAのデスクに置いてその場を去った。

恐らく、Aに会ってこんな態度を取ったのは進ノ介だけだろう。

遠慮するのも分かるが、偶には甘えてみても良いのでは無いだろうか。

そんな事を考える内に、進ノ介は何だか彼女の事が無性に気になった。

そしてそんなある日。

夜遅く、進ノ介は見回り当番だった。

未だ明かりの点いている部屋があり覗くと、Aが資料とにらめっこしながらボロボロと涙を流している。

進ノ介「何してるの？」

『えっ、や、資料を作っています』

進ノ介「進んでいないみたいだけど、手伝おうか？」

『いえ。これは私の頼まれた仕事なので』

尚もAは、遠慮しながら言う。

進ノ介「でも分からなくて困ってんだろ？俺が手伝うよ」

そう言うと、Aはぽつりと呟く。

『何でいつも、私を気にするんですか？良いって言ってるのに、助けようとしてくれるんですか？』

Aに聞かれ、進ノ介は内心何でだろう、と自問自答する。

が、考えるよりも先に口が動いていた。

進ノ介「好きだから」

『え？』

進ノ介「Aが好きだから、頼って欲しい」

そう言うと、Aは言う。

『じゃあ、手伝って……下さい』

Aは進ノ介の袖口をくい、と引いた。

『先輩の事が好きだから』



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