ヒーローと甘々。その１０。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿着ぐるみ。　ダブル【須藤霧彦】 ページ40

✿Makua*ぼっち様リクエスト✿

ＮＯサイド

リポーター「次右に行きますよ〜」

そう言われて、Aは声を出さずに頷く。

今Aが何をしているのか。

スイカ割り？

違う。

彼女は今、着ぐるみの中だ。

この街のマスコット、ふうとくんに扮している。

何でこうなったか。

それは、今日あるふうとくんの触れ合いイベントに出る予定だった友人が交通渋滞で来れなくなったから。

午前中の部だけで良いよと言われ、引き受けたのだ。

だが意外と体力使うし暑いし、何より前が見辛い。

リポーターの指示のお陰でどうにか歩けているが、転けても可笑しくないだろう。

やっと触れ合いイベントの目的地に着いて、ステージに立つ。

手を振ったり、軽く戯けたりして観客を楽しませた。

そしてお待ちかね触れ合いタイム。

沢山の子供が列に並び、ふうとくんに思い思いのメッセージを言って行く。

握手を頼む子も居れば、写真や頭を撫でて欲しいと言うリクエストもあった。

Aは的確にそれに応える。

そして、次のお客さん……と思って前を見ると。

そこに居たのは須藤霧彦。

Aの片想いの相手である。

彼は風都が好きだし、ふうとくん生みの親でもあるから来ても可笑しくない。

でも、それにしてもびっくりだ。

すると、霧彦はふうとくんに抱き着く。

霧彦「ふうとくんは今日も可愛いね」

なんて言いながら頭を撫でて来たりするので、Aの脳内はパンク寸前だった。

幾ら自分がふうとくんであるとは言え、頭を撫でられたり等したら恥ずかしいに決まっている。

どうにか色んな暑さや熱さに耐えて、イベントは終了した。

控え室に戻ると、頭の被り物を取る。

『ぷはぁっ、暑い………』

Aは外の空気を吸い込み深呼吸する。

と、ドアがノックされ、入って来たのは霧彦だった。

霧彦「失礼しまーす」

『えっ、霧彦さん！！』

霧彦「A！？今日の中は君だったのか…」

霧彦も驚いているらしかった。

霧彦「抱き着いたり撫でたりして済まないね。いつものクセなんだ」

『は、はぁ……嬉しかったので大丈夫です……』

Aがそう言うと、霧彦は目を丸くする。

そして霧彦はそっとAの頭を撫でた。

『えっ』

霧彦「あ、いや…つい」

『至近距離は……ズルいですよ』

近くで見つめて来る彼は、ゆっくり近付いて来て、Aにそっとキスをした。



リクエストありがとうございました✨

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