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「実はこの1ヶ月の間、日本に行っていて…」
そう言いながら紙袋をガサガサし始めるスングァンさん。
「これ、お土産です、よかったら召し上がってください」美味しそうなお菓子が描かれたパッケージの箱を渡してくれるスングァンさん。
「そんな、お気遣いありがとうございます。お顔を見かけないなと思っていたら日本に行かれていたんですね」
なんだかその言葉に少しホッとした自分がいた。
「ちょっと出張というか仕事で…」と言葉を濁すスングァンさん。「美味しく頂きますね」とだけ返し、この話題に触れるのはやめにした。
「今日は午後から誰もお客さん来なくて暇だったんです。なのでスングァンさんが来てくれてよかったです。」
「貸切ってことですね、ラッキーだ」
「あ、せっかくなのでお菓子開けさせてもらってもいいですか？一緒に食べましょう」
「実は僕もあのお菓子食べてみたかったんです」と照れながら言うスングァンさん。
頂いたお菓子を開けて二人で美味しく食べている時だった。ブーブーと携帯が鳴るのが聞こえた。
「どうぞ」と一言だけ言って邪魔にならないように厨房へと下がる私。しかし誰もいない店内、彼の声はよく響く。
「ディノや〜ヒョンは忙しいって言って出てきたじゃないか？え？練習の時間が変わった？…わかった。今すぐ戻る」電話が終えるのと同時に、カウンターへと戻る。
そこには悲しそうな表情を浮かべたスングァンさんが、さっきまでとは変わってちょこんと寂しげに座っていた。「すみません、お会計をお願いします」
そう言う彼は明らかにテンションがだだ下がりしていた。
「お忙しいんですね。またぜひいらしてくださいね」そう言うと「また絶対に来ます」そう言いながらキャップをかぶっていた。
彼を見送ってから気がついた、「スングァンさんまた髪色変わっている…」
閉店作業中に来た時と、初めてお店に入ってきた時、そして今回と髪色が違うのだ。今回に至っては奇抜な髪色をしていた。「スングァンさんって何者？」ふとそんな疑問を抱いた瞬間だった。
カウンターに戻り、片付けようとグラスを手に取ると、カランカランとまだ溶け切ってない氷の音が鳴る。静かな店内に氷の音が切なげに響いた。
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ボッチャ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです♪頑張って更新しますね！ (2021年8月24日 23時) (
レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - すごく面白いです!本人の顔を見ているわけでもないのに簡単に想像できてしまって、終始口角が上がりっぱなしでした（笑）更新頑張ってください！！ (2021年8月24日 9時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - anzuさん» コメントありがとうございます。読んだ瞬間嬉しくて笑顔になりました。なんとか完走できるよう頑張りますので引き続き読んでくださると幸いです。 (2020年8月21日 4時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
anzu(プロフ) - お話めちゃくちゃ好きです> <更新されるたびに嬉しくて飛びついて読んでます！笑 無理せずボッチャさんのペースで頑張ってください、素敵なお話をありがとうございます。 (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - 〇〇さん» ありがとうございます。頑張って書きます！ (2020年8月18日 1時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボッチャ | 作成日時：2020年7月30日 5時
