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今日は定休日。
時刻はお昼前、外でランチしようと思いながらフラフラしていると、「お姉さん、ちょっとお姉さん」そう声が後ろから聞こえてきて、振り返ると、ネイビーのキャップにマスク姿の男性。そう、そこにはスングァンさんがいた。
「びっくりした！ス…
と名前を呼ぼうとしたら恐るべきスピードで口を塞がれてしまった。そして「少し静かにしてもらっていいですか」と小声で言われ、人通りの好きない道へと手を引っ張られていく。
ただでさえ会えたことに驚いたのに、スングァンさんに口を塞がれ手を引っ張られて、ドキッとしてしまっている自分がいた。
引っ張る手は私の手のサイズよりも明らかに大きく、力強くて、男の子なんだなと思わされた瞬間だった。
「すみません。街中だと目立ってしまうので」
「いえいえ、有名なスポーツ選手ならそうですよね。大丈夫ですよ」そう応えると、何か言いたげに私の目をみてくる。
そして意を決したかのように、「あの、実は…僕たち…」
そう何かを言いかける。
しかし、しばらく黙りこんでしまうスングァンさん。
すると「……お腹が空いてて」と小さな声で下を俯きながら表情を見せずにそう言った。
「なんだびっくりしました、何か重大な秘密でも教えてくれるのかと思いましたよ」
そう言うと複雑そうな表情をみせるスングァンさん。
「私もお腹が空いているんですよ。よろしければ一緒にランチどうですか？」
「え、いいんですか？」
俯いていた顔を上げて、嬉しそうな表情を浮かべるスングァンさん。
「ここの通りに行きつけの美味しいご飯屋さんがあるんですよ、そこで大丈夫ですか？」
「はい」
ガラガラと古びたお店の扉を開けると、いつものおばちゃんがやってきて「Aちゃんいらっしゃい」と出迎えてくれた。そして私の後ろにスングァンさんがいるのを見て「Aちゃんが男の子を連れてきた」と騒ぎ出した。
「Aちゃんにもついに彼氏ができたなんて…Aちゃんのことよろしくね」と勝手に勘違いして涙ぐんでいる。
「おばちゃん、違うから。お店のお客さんだから」
スングァンさんはというと、私の後ろでこの茶番をみてクスクスと笑っていた。「笑ってないでちゃんと否定してくださいよ」と後ろを振り返って言うと「だって面白くって」と。
「まったくもう、みんなして…」そうブツブツ言いながら私は席に着く。
目の前にはスングァンさん。さっきまでまったく予想もつかなかった展開だ。
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ボッチャ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです♪頑張って更新しますね！ (2021年8月24日 23時) (
レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - すごく面白いです!本人の顔を見ているわけでもないのに簡単に想像できてしまって、終始口角が上がりっぱなしでした（笑）更新頑張ってください！！ (2021年8月24日 9時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - anzuさん» コメントありがとうございます。読んだ瞬間嬉しくて笑顔になりました。なんとか完走できるよう頑張りますので引き続き読んでくださると幸いです。 (2020年8月21日 4時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
anzu(プロフ) - お話めちゃくちゃ好きです> <更新されるたびに嬉しくて飛びついて読んでます！笑 無理せずボッチャさんのペースで頑張ってください、素敵なお話をありがとうございます。 (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - 〇〇さん» ありがとうございます。頑張って書きます！ (2020年8月18日 1時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボッチャ | 作成日時：2020年7月30日 5時
