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「…っ、な、なんで…?」
『…わ、私は、ここに…』

Aと言う名前も同じだし、見た目はもちろん一緒。…服は、違うけど。
鏡を見ているかのようにそっくりだ。

…あれが、私の体…?
でも、私はここにいる。

『…なんで、なんで…?』

私は、一体…。

私はA。気がついたら幽体離脱していて、それをいい事に今まで出ることの出来なかった__どこから、出ることが出来なかった?
そう、思い出した。理由は分からないけど、親が過保護だったのか、はたまた別の理由か。
理由を知らされず、幼い頃から塔に閉じ込められていたんだ。
誰かと話したくても話せない。
でも、明るく振る舞えば食事等を届けに来る人は少しだけ長く居てくれた。

私がこんなに子供っぽいのは、人と話すのが少なかったから、なのかな…?
…関係ないかも、しれないけど。

…いや、そんな事はどうでもいい。
今私が考えるべきなのは、あの私の体に入っているのが誰なのか、ということだろう。
…あれは私の体で間違いないはず。漸く思い出せなかった事を思い出せたけど、その記憶を思い返しても、あの体が、あの場所が本来私のいるべき場所だということが分かる。

「…なんで、Aさんが…」
『ろ、ロボロさん!あれは私の体ですけど、中身は別人で…!』

挨拶を終えた私の偽物。灯りが再びついて、会場内は明るくなる。
綺麗なドレスを着た私の偽物に、ロボロさんは向かっていく。

『あ、待って…!!』

急いでついていく。
ロボロさんは偽物の私に話しかけた。


「お、俺、覚えとる!?」
「…?何方、でしょうか」
「…っ、ほら、Aさんが幽体離脱して、その間俺んとこで…!!」
「ゆうたい、りだつ…。…少しこの方と二人にさせてください」

その偽物がそう言うと、護衛らしき人はどこかに行った。
偽物は少し考えた素振りを見せて、顔を上げた。

「…すみません、幽体離脱した記憶はあるのですけど、何があったのかはさっぱり…。…だから、貴方の名前も」
「ロボロ、ロボロやで!!……覚えて、へんの…?」
「…申し訳ございません」
「…いや、ええんや…!!…Aさん、俺、あの後ずっと後悔して……って、覚えてへんのやったよな、すまん…」
「いえいえ。…よければ、少しお話しませんか?私は貴方とどういう関係だったのか、気になるのです」
「…!…じゃ、じゃあ話そうや、な!」

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零音(プロフ) - ゆずゆさん» 泣いていただけたんですか…?!ありがとうございます…!! (2021年1月19日 23時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずゆ(プロフ) - 泣いちゃったじゃねぇですかぁ……面白いです。完結おめでとうございます (2021年1月19日 2時) (レス) id: 6e2976f246 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - ぺ助さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!どんどん妄想膨らませちゃって下さい…!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - まっくろさん» ありがとうございます!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - ぽむさん» 初めて…!?ありがとうございます!続きを検討しておきますね…!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月21日 22時

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