警察署にて 4 ページ12
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でも、と声が聞こえたところで意識を前の女性警官に戻す。
柿ピーの袋を開封しながら彼女は話を続ける。
｢白い翼はとても良い兆しだと昔から言われてて、でもAちゃんは飛べなくて、妾の子で、って感じで凄く不憫なんです……私、心配で心配で！｣
｢それは、心配ですよね〜。その言い方だと天羽生さんの実のお母様は…｣
｢亡くなってます…お父様も亡くなってて…継母があまりにも酷いので、長男の隼翼さんがAちゃんを連れて今は2人で暮らしてるんです｣
｢なるほど……｣
話しているうちに、向こうの電話も終わったようで國田さんが二、三言話してから受話器を戻した。
｢終わったみたいですね｣
｢そうですね！Aちゃ〜ん！こっちでお菓子食べよう？｣
電話が終わったことに気づくと、俺と話していた彼女はパタパタと天羽生さんの傍に寄り、こちらへ連れてきた。
先程まで自分が座っていた席に天羽生さんを座らせると追加のお菓子と飲み物を置いてに足速にデスクに戻った。
｢…おにーさん、優しいんだね｣
｢……うん｣
俯いて、アルファベットチョコをいじりながらだが若干嬉しそうに頷く。
｢このあとどうするの？｣
｢…たぶ、ん、1人で、帰り、ます｣
｢ここの人は着いてきてくれないの？｣
普通、保護者に連絡して、迎えがないことが分かったら送るくらいはするだろう。
署に態々連れてきているのは警察なんだし…と思考を巡らせていると、目の前の彼女は小さく口を開く。
｢い、いつ、もそうだから、断っ、てる、んです｣
｢いつも？｣
｢お兄ちゃん、が迎、えに来れ、ないと、き｣
うーん、なるほど。
仮にも迷惑をかけている自覚はあるということだ。
ただでさえ自 殺未遂行為で業務を止めているのに、送ることで更にそれが遅延してしまう。
恐らく、弱々しそうに見えて意思が強いのだろう。
ここの人達がそう簡単に1人で帰すようには思えないのだが、いつも、というには相当回数繰り返して1人で帰るようになったのではないかと予想してみる。
｢…今日は俺に送らせて｣
｢え、！や、自分でかえ、ります｣
｢君はそれでいいかもしれないけど、俺が嫌なの｣
ごちそーさまでした、とカップの残りを呷って立ち上がる。
｢今日は俺が送りますんで！｣
そう宣言すると、オフィスの彼らは同音異口に感謝を述べてきた。
素早く少女の手を掴んで歩き出す。
｢空、飛びたくない？｣
彼女が惹かれる言葉を発しながら。
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りん(プロフ) - ホークス良すぎる…(^-^) (2020年3月18日 20時) (
レス) id: 8a717e60ef (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん - めっちゃ面白いです！続きがすごく気になります！これからも頑張ってください！ (2020年3月7日 21時) (レス) id: 13427c4e5d (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望R(プロフ) - リラリアさん» ありがとうございます！！貴方様のコメントで再び書く意欲が湧いてきました…！ご期待に添えるように頑張りますね！ (2020年2月22日 3時) (レス) id: 0ab19d6968 (このIDを非表示/違反報告)
リラリア(プロフ) - うぅ… すごく好きです！ もう文才が素晴らしすぎて…続き楽しみにしてます！！！！！！ (2020年2月17日 1時) (レス) id: 8b51d1bcb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望R | 作成日時：2020年1月9日 3時
