◆飴5個目 ページ6
「流石にこんな所でタバコはまず………ん?」
「んなもん吸うか。肺に悪影響だろうが」
よく見るとその棒は、あたしもよく知っているものだった。
「それ……もしかしてさっきあたしがあげた飴?」
「……だったら何だよ」
馬狼が口の中から棒を取り出すと、案の定それは飴だった。馬狼と棒付き飴という謎の組み合わせで脳みそがショートしそうだが、何とか堪えて声を発する。
「いや……はぁぁ……びっくりしたじゃん……紛らわしいなぁもう……」
「うるせぇ。テメェが勝手に勘違いしただけだろ。」
「だって……勘違いもするっしょ…相手が馬狼なら」
ほんと心臓に悪い。
馬狼が大人っぽい雰囲気だから、余計にそういう印象を受けてしまう。
「…つーかお前授業中に変なもん投げてくんなよ。消しゴムなんざ、授業が終わった後で拾いに来れば良かっただろ。」
それを言われては返す言葉もない。
「……ごめんて。どうしてもあの時拾って欲しかったの。」
「……何で」
「えっと………ほら、ノート取ってたんだけど書き間違えしちゃって。直したくて直したくてしょーがなかったの。」
適当な言い訳を並べてみたが、我ながら苦しいと思う。
でも馬狼はあたしの下手っぴな嘘に騙されてくれたのか、「あっそ。」と一言呟いただけだった。
「……ねぇ、飴嫌いじゃないならこれもあげる。いっぱい常備してんの」
スカートのポケットに手を突っ込み、先程と同じ棒付きの飴玉を取り出す。
今度はプリン味じゃなくて、イチゴ味にしておいた。
「……甘いモンはあんまり好きじゃねー」
「うっそ。まぁ大丈夫だって、これそんな甘くないから。はい」
そう言って彼の手に握らせる。
本当はもっと話していたかったけど、彩華達が待ってるから早く戻らないと。
「じゃあね馬狼」と言い残して、あたしは彼の元を後にした。
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39893 - 匿名希望さんのお話、他にも見てるんですが、全部いいお話ばかりです!いつもありがとうございます! (10月18日 22時) (レス) @page50 id: e8da3276d0 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます。スウウウーーーーーッ……まっっじで最後まで最高でした!!!!!!ばち好みの作品で更新の度発狂していました…今までお疲れ様でしたこれからもがんばってください!!!!!!最高でした!! (7月20日 23時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
あげ豆腐(プロフ) - 完結おめでとうございます!!こんなにもいい神作品を見させてくださって本当にありがとうございます!次回作も楽しみに待ってます😊 (7月20日 23時) (レス) @page50 id: 417163fa8e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望(プロフ) - ぱんぱーすくんさん» 完結しました!ありがとうございます!!😭🙏ツンデレキング、良いですよね…まず公式があざとい…🤝ほぼ自己満になっちゃってましたが、楽しんで頂けたなら良かったです……! (7月14日 9時) (レス) id: 733e983a69 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぱーすくん - 完結おめでとうございます!馬狼くんのツンデレほんっと可愛いです!!!馬狼くんの夢小説かいてるひと少ないの素敵な作品かいてくださってありがとうございました🙇🏻♀️💦 (7月13日 23時) (レス) @page50 id: 3f84d09ede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年6月18日 1時