◆おまけ ページ45
…初キスの味っつーのは、何味なんだ。
俺は晴れて名月Aと付き合い始めたが、2週間後には再びブルーロックに帰らなくてはならない。
限られた時間の中で逢瀬を重ね、今日も例の如く放課後にAを迎えに行くところだった。
「……あ、照英!会いたかった」
「ん。……ほら、手よこせ。」
いつものように差し出された手を軽く握ると、指を絡めてくる。恋人繋ぎというらしいこの行為にも、もう慣れてきた。
「今日はねー、飴5個くらいしか食べなかったよ。偉くない?照英の事考えてると飴食べたい欲が満たされるから助かる〜」
「そりゃ良かったな。」
他愛のない会話をしながら歩く帰り道。
俺達の関係は至ってプラトニック。手を繋ぐ、または抱き合うくらいが関の山だった。
「…照英さ、今日うち泊まってくれない?明日土曜日だから学校ないし。親帰ってくるの夜だし。」
「………は…?」
何気ない会話の中でいきなり言われたものだから、一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
泊まり。
つまり、そういう事だろうか。
しかし付き合って間もない男女が一部屋で一晩過ごすというのは、如何なものなのか。
そんな事を思いながら視線を斜め下に下げれば、真っ赤に染まった耳が見える。
「……いや……出来るだけ長く一緒に居たいっていうか…」
「……分かった」
それ以降の会話は無く、気付いた頃にはAの家の前だった。
「……お邪魔します。」
「そんな畏まんなくていいのに」
玄関に入り靴を脱ぐと、手洗いうがいだけしてから彼女の部屋に案内される。
「……ちゃんと女子の部屋してんだな。」
部屋に入るなり、ほんのり甘い匂いがした。
ありきたりな感想を口にすると、クスリと笑われる。
「なんか意外、照英ってもっとこう……がっついてきて、そういう事してくるタイプかと思ってた」
「バカかテメェは。俺にだって理性ってモンがあるんだよ。…それに身体目的で付き合った訳じゃねぇ。」
床に荷物を置いてベッドの端に腰掛けると、Aも隣に座る。
「……そっか、紳士じゃん。…でも、あたしは結構我慢してた」
そう言って俺の手を握ると、自分の頬へと持っていき擦り寄せた。
柔らかな感触が伝わって来ると同時に、ドクンと心臓が脈打つのを感じる。
「おい……」
制止の声を上げるよりも早く、秋奈が口を開いた。
「前からずっと…キス…して欲しいって思ってた」
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39893 - 匿名希望さんのお話、他にも見てるんですが、全部いいお話ばかりです!いつもありがとうございます! (10月18日 22時) (レス) @page50 id: e8da3276d0 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます。スウウウーーーーーッ……まっっじで最後まで最高でした!!!!!!ばち好みの作品で更新の度発狂していました…今までお疲れ様でしたこれからもがんばってください!!!!!!最高でした!! (7月20日 23時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
あげ豆腐(プロフ) - 完結おめでとうございます!!こんなにもいい神作品を見させてくださって本当にありがとうございます!次回作も楽しみに待ってます😊 (7月20日 23時) (レス) @page50 id: 417163fa8e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望(プロフ) - ぱんぱーすくんさん» 完結しました!ありがとうございます!!😭🙏ツンデレキング、良いですよね…まず公式があざとい…🤝ほぼ自己満になっちゃってましたが、楽しんで頂けたなら良かったです……! (7月14日 9時) (レス) id: 733e983a69 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぱーすくん - 完結おめでとうございます!馬狼くんのツンデレほんっと可愛いです!!!馬狼くんの夢小説かいてるひと少ないの素敵な作品かいてくださってありがとうございました🙇🏻♀️💦 (7月13日 23時) (レス) @page50 id: 3f84d09ede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年6月18日 1時