◆飴1個目 ページ2
「A、おはよ〜!今日も可愛いね!」
「うわっ!?ちょ、抱きつくなし…」
朝からハイテンションで後ろから抱きついてきたこの子は幼馴染の天道彩華。
昔からずっと一緒だったけど、最近はスキンシップが激しくなってきた気がする。まぁ別に嫌じゃないけど。
「A、あやち!おはよ!」
「今日も仲良いなぁマジで」
教室に入ると、既に登校していた友人二人がこっちに向かって手を振ってきた。
「おっす」
「おは〜」
あたし達はいつも通り机を寄せて4人で談笑を始めた。
あたしは俗に言うギャルという部類に入る見た目をしている。メイクだってバッチリだしスカートも短い。勿論校則違反だけど、だってその方が可愛いもんね。
(………あ)
しばらくするとガララ、と教室の扉が開く音がして無意識にそちらを見る。
「……ヤバ、馬狼照英来ちゃったよ」
「しゃーない、片付けますか〜」
彩華達がいそいそと机を移動させ始める。
馬狼はあたし達の方を一瞥すると、何も言わずに自分の席についた。
肩にかけていた鞄を降ろして机の脇に引っ掛けている姿を見ただけで胸がぎゅっとなる。
(やっぱりめっちゃカッコイイ……)
あたしはもうかれこれ2年くらい馬狼のことが好きだったりする。
きっかけは単純だ。
入学式の日。遅刻しそうになったあたしは学校へ向かう途中で派手に転け、膝小僧を思いっきり擦りむいた。
痛くて情けなくて泣きそうになっているところにたまたま通りかかったのが馬狼だったのだ。
彼はあたしを見て一瞬ギョッとした表情を見せた後、すぐにハンカチを取り出して傷口の手当をしてくれた。
「あ…ありがと……」
「気まぐれだ。次は助けねぇからもう転けんなよ。じゃあな」
それだけ言って立ち去って行く彼を見て、あたしは恋に落ちてしまった。
…いや、それだけで恋に落ちるなんて我ながらチョロ過ぎるとは思う。でもあの瞬間からあたしの心は彼に囚われたままなのだ。
(あーどうしよう。好き過ぎてツライ……)
今年初めて同じクラスになれた時は嬉しさで叫びそうになったっけ。
…とはいえ、その気持ちを本人に伝えられるはずもなく。
だって馬狼はきっと、あたしなんか眼中にないだろうから。
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39893 - 匿名希望さんのお話、他にも見てるんですが、全部いいお話ばかりです!いつもありがとうございます! (10月18日 22時) (レス) @page50 id: e8da3276d0 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 完結おめでとうございます。スウウウーーーーーッ……まっっじで最後まで最高でした!!!!!!ばち好みの作品で更新の度発狂していました…今までお疲れ様でしたこれからもがんばってください!!!!!!最高でした!! (7月20日 23時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
あげ豆腐(プロフ) - 完結おめでとうございます!!こんなにもいい神作品を見させてくださって本当にありがとうございます!次回作も楽しみに待ってます😊 (7月20日 23時) (レス) @page50 id: 417163fa8e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望(プロフ) - ぱんぱーすくんさん» 完結しました!ありがとうございます!!😭🙏ツンデレキング、良いですよね…まず公式があざとい…🤝ほぼ自己満になっちゃってましたが、楽しんで頂けたなら良かったです……! (7月14日 9時) (レス) id: 733e983a69 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぱーすくん - 完結おめでとうございます!馬狼くんのツンデレほんっと可愛いです!!!馬狼くんの夢小説かいてるひと少ないの素敵な作品かいてくださってありがとうございました🙇🏻♀️💦 (7月13日 23時) (レス) @page50 id: 3f84d09ede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年6月18日 1時