傷だらけ二年生が友人に囲まれるまで (ページ17)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:22,525 hit

17 ページ17

１日目『親戚の人がたくさん来ていたよ』

２日目『おそうしきに出たよ。今日はご飯もらえたよ』

３日目『目ざわりだって怒られちゃった、痛いけど平気』

４日目『受信したメッセージはありません』

５日目『帰りたい』

６日目『受信したメッセージはありません』

７日目『受信したメッセージはありません』

リドルは携帯端末を見つめながら鏡舎に立っていた
先ほどから何度も何度もメッセージが届いていないか確認している
テルからの連絡が途絶えた2日間、気が気では無かった
全てのメッセージにはもちろん返事をしている
それにもちゃんと返信があったのに今はいくら電話をかけても出なかった

「リドル、連絡はどうだ？」
「…無い」
「先生たちも分からないって」
「うん。…先生たちも連絡しているらしいけれど何も無いみたいだ」

トレイとケイトが心配そうに眉をひそめた
リドルは４日目に連絡が一度無くなった時点で教師陣に相談している
職員室でもテルの事は話題に上がっていたらしい
学校から何か言った方が良いのではと協議されていたという
代表してトレインがテルの実家に電話を入れたこともある
しかし電話に出た使用人を名乗る男性は

「坊ちゃんは忙しいのです」

と言うだけだった
本人が電話に出る事は無く何度かけてもその男性が出るばかり
終いには「忙しいので」とだけ言われて切られ、それ以降誰も電話を取らなかった
訪問するのはどうかとバルガスが案を出してもいる
それも相手に了承を取らないといけない
無断で行ったとして追い返されるだろう
そこを強行突破するのか？という話で教師陣が揉めてしまった
不法侵入だなんだと言われたら目的が遂げられない
結論として１週間待って帰ってこないなら家に行くという話にまとまっている
だから３人はこうして鏡舎で待ち続けていた
各々の用事が終わり次第、ヴィルとルークも来る運びになっている
帰ってくるはずの学外に繋がっている鏡
リドルはそれを見つめてため息をついた

「…これを通れば助けに行けるのかな」
「行ける…かは微妙だな。きっと一方通行で向こうからしか来れない」
「お迎え、行きたいよね。オレも分かるよ」

本音を言えば今すぐ家を訪問して連れ戻したい
でも実行した場合のテルの立場はどうなるのだろうか
そんな事を考えて行動できない事すら不甲斐ないとリドルは落ち込んだ
思わず下を向くリドルの前で突然鏡が光り始めた
ハッと顔を上げ、鏡を見る
鏡面から出てくる黒い影に慌てて駆け寄った