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太「…へぇ?君も言うようになったじゃないか」






『いくら、太宰幹部であろうと、情報、を、漏らすことは、できま、せん。』






太「そっか、なら仕方ないね」










顔をあげると、にこにこの彼と目が合う。
諦めて、くれた?





ここ四年で太宰幹部もおとなしくなってくださったのだろうか。
そんな太宰幹部に安心したのか、思わず声が漏れる。





『あの、帰してくれま「何言ってるの?」






『…ぇ、』







私の動揺が面白かったのか、笑みを深くしすぐ近くに座る彼。
怖い、






太「やっぱり、私が居ない間に随分と馬鹿になったようだね」






『太宰、幹…部?』






太「昔から私のそばで仕事をしていたのにも関わらず、もう忘れてるようだね」







恐怖心に抗い、そう遠くないドアをちらりと見る。
太宰幹部が入ってきたとき、音はしなかった。


入ってきた音もしなかったが、ポケットの膨らみから見るに鍵は持っていない。




逃げられる?








『ひっ、』






太「酷いじゃないか、そんなに怯えるなんて」






不意に頬にきた冷たい感覚。
それは目の間にいる彼の手で、それが動くたびに包帯が擦れてくすぐったい。


涙が溢れるのを止めもせず、目の前の端正な顔を見つめる。





太「君は昔から物覚えが悪かったからね。仕方ないか」







その時、突然思い出した。








太「思い出してごらん?私が拷問した相手はどうなったか」








誰かが、ポツリと零していた言葉を。








太「こんなにヒントをあげたのだし、わかるでしょ?」








太宰治の敵にとっての一番の不幸は








太「本当に馬鹿になったの?それとも…私が怖いのかい?」








太宰治が敵であること。








太「もう一度、教え直してあげるよ。A。」








少し動いたら、彼の長いまつげとあたってしまいそう。
拘束もされていないし、彼の手も優しく頬と肩に添えられてるだけで逃げ出そうと思えば逃げ出せる筈なのに。









太「はじめから、ね?」









その美しい瞳から、目が、離せない。

さん→←いち



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タタリ - 太宰さん、カッケー!!!! (5月15日 19時) (レス) id: 6915327b77 (このIDを非表示/違反報告)
やよ - 更新待ってます、!!! (5月9日 22時) (レス) id: b2646c1f36 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新待ってます✨ (2023年4月14日 0時) (レス) @page9 id: 9ee3f46ef7 (このIDを非表示/違反報告)
やよ - だざむこわ、、すき、、 (2023年4月10日 18時) (レス) @page8 id: 6725d401be (このIDを非表示/違反報告)
だば - はじまりから好みです!教育って何してるんだろって想像しちゃいます…エッな方とか…なんかすみません (2023年4月10日 1時) (レス) @page8 id: cbd649de02 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめん | 作成日時:2023年4月7日 1時

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