・ ページ11
・
ふわふわとして足が地に着かないような、そんな変な感じ、。
嗚呼、また夢か。
ゆっくりと瞼を上げると何も無い空間に立っていて、目の前には幼い隊長が居た。
最近同じような夢ばかり見るような気がする、。
でも夢は覚めたら記憶が曖昧になっていくから、実際どうなのかは不明だけれど。
『此処は何処?』
「Aの意識下の世界だよ」
『、え?なんて?』
よく理解の出来ない単語が聞こえた気がして、再度聞き返してしまった。
「まあ、夢の世界とでも思っておいて」
『いや、思っておいてって、、』
所詮夢なのか?と思うと同時に、目の前の彼がどうしてもその見た目にそぐわない中身を持っているような気がして、違和感を感じた。
つまり、見た目は子供の隊長だけれど、中身は子供では無さそうなのだ。もっと言えば、"そらる"ですら無いような気がする、
あくまで気がするだけなのだが。
「やっと気付いたんだ、ずーっと夢の世界でキミに会いに行ってたのに、気付いてくれないんだもん。」
そう言うと、目の前の彼はまるでluzがそうしたのと同じように、姿を変えた。
変身を解いたことで私の背を越した彼は、人間では無いのだろうか、?
でも何故だか初めて会った気はしないし、私の敵では無いと確信していた。むしろ、味方のような。。
その色素の薄い水色の髪の毛を揺らす彼に、綺麗な髪の色だなとそんなことを呑気に思った。
そのまま消えて行きそうな儚さがあった。
『、、貴方は誰?』
「まだ俺のこと思い出せないんだね」
目を細めて優しく笑うその顔に、頭の何処かが刺激されるような感覚。
誰だっけ、この人は誰?
、、、私の大切な人、だった気がする、
『ねえお願い、貴方は誰なのか教えて?、、貴方のこと、大事だった筈なの、」
「今はまだその時じゃないんだ、少しずつ思い出せばいいよ」
『っでも!』
「そんなことより、現実の方は大変みたいだから早く戻ってあげて?」
現実、?
あれ、私ってあの後どうなったんだっけ、、
隊長に血を飲ませてあげられたっけ?
ていうか、私って生きてる、?
「君の死は、もう見たくないんだ。」
『?』
「いい?どんな現実が待っていようと、自ら命を差し出してはダメだよ、俺との約束。そらるさんも言ってるだろうけど、自己犠牲は何も生まないよ、」
『、、、わかった、』
ニコリと微笑む彼を最後に、この世界は途切れた。
・
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
vt4966cjdf(プロフ) - すごく面白いです!!更新頑張ってください😤 (5月26日 21時) (レス) @page15 id: 48ea68b868 (このIDを非表示/違反報告)
べあ - 吸血鬼になるとは想像つかなかったです…展開が読めなくて毎話わくわくしながら読んでます! (2023年1月20日 9時) (レス) @page15 id: b2e7b104f0 (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - わたあめさん» ありがとうございます!そのお言葉だけで励みになります。ゆっくり更新ですがよろしくお願いします、! (2023年1月16日 0時) (レス) @page14 id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - どのお話もめっちゃ面白くて毎回楽しく読ませていただいています...!これからも更新頑張ってください!! (2023年1月14日 10時) (レス) @page13 id: da5fff30a0 (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - べあさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2022年12月4日 9時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とこ | 作成日時:2022年9月21日 23時